フライシャー兄弟最後の長編 「バッタ君町に行く」12月公開 | アニメ!アニメ!

フライシャー兄弟最後の長編 「バッタ君町に行く」12月公開

1930年代、ウォルト・ディズニーと伴に米国のアニメーション界を一斉風靡したマックスとデイブのフライシャー兄弟による最後の長編アニメーション『バッタ君町に行く』が12月19日に劇場公開される。国内外の良質なアニメーションの紹介を続ける三鷹の森ジブリ美術館ライ

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 1930年代、ウォルト・ディズニーと伴に米国のアニメーション界を一斉風靡したマックスとデイブのフライシャー兄弟による最後の長編アニメーション『バッタ君町に行く』が12月19日に劇場公開される。
 国内外の良質なアニメーションの紹介を続ける三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーが配給を行い、渋谷シネマ・アンジェリカほかでロードショーされる。作品はニュープリントによるもので、60年以上経っても色褪せることのない映像の魅力が蘇る。

 フライシャー兄弟は1920年代に人の動きをアニメーションに写し取るロトスコープの方法で、フライシャー・スタジオにてアニメーション制作をスタートした。その後、短編アニメーションや教育アニメーションなど様々分野で活躍した。代表作には『ベティー・ブープ』、『ポパイ』、『スーパーマン』など、今でも人気の高いキャラクターたちの作品がある。
 長編アニメーションもそうした活動のひとつで、1939年にはフルカラー映画『ガリバー旅行記』を制作した。『バッタ君町に行く』はその後を引き継いで制作された。しかし、公開が1941年と太平洋戦争開始直後と言う混乱の時期となり、興行的には望まれない結果となった。その後直ぐに、フライシャー・スタジオの制作活動も事実上停止する。

 作品は都会の真ん中の草むらから虫たちが安全な土地に移住する様子を描く。ディズニー映画とはまた異なる初期のアニメーション映画の息吹を感じさせる。
 興行的な不振にも関わらず、作品の評価はその後、大きく高まり、現在ではアニメーション映画史に欠かすことの出来ない作品とされている。
 「時代のせいでおもしろくないものと、時代を超えておもしろいものがあるはずで、その時代を超えるものをやっぱりフライシャーは持っているんです」と宮崎駿監督も絶賛する。『バッタ君町に行く』は、アニメーションを志す人なら誰でも観ておきたい作品である。

『バッタ君町へ行く』 /http://www.ghibli-museum.jp/batta/
三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー /http://www.ghibli-museum.jp/library/
《animeanime》
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