文化庁 国立メディア芸術総合センター基本計画案まとめる | アニメ!アニメ!

文化庁 国立メディア芸術総合センター基本計画案まとめる

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 文化庁はマンガ、アニメ、ゲーム、メディア芸術などを総合的に取り扱う国立メディア芸術総合センター(仮称)の基本計画案をまとめ8月24日から、一般公開を行っている。国立メディア芸術総合センター(仮称)は、平成21年度補正予算で、施設の購入費、建築費117億円が計上された公共施設である。
 メディアアートに加え、アニメ、マンガ、ゲーム、映画などのポップカルチャー、サブカルチャーと呼ばれる分野の表現芸術を多く取り入れたのが特徴だ。今年5月に設立計画が浮上したが、その後その在り方について大きな議論が巻き起こっている。

 文化庁はそうした外部環境を受け、国立メディア芸術総合センター(仮称)設立準備委員会を設置し、基本計画を検討してきた。今回の発表された基本計画案は、この設立準備委員会がまとめた。
 設立準備委員会は、東京大学院大学院浜野保樹教授を座長にアニメ、マンガ、メディアアート、映画、ゲーム、建築などの分野から14人の委員と4人のオブザーバーから構成されている。
 アニメ分野からは布川郁司日本動画協会理事長・ぴえろ社長、アニメーターの神村幸子さん、アニメーション作家の古川タクさんが参加している。また、マンガ分野からは、マンガ家のさいとうちほさん、里中満智子さんらが委員となっている。
 
 今回の案ではまずメディア芸術を、アニメーション、マンガ、ゲーム、映画、メディアアートと定義したうえで、これまで国の支援の薄かった分野とする。そのうえで、今後の芸術振興のために支援を実施すると位置づける。
 具体的には国立メディア芸術総合センターを設立し、関連資料の収集・保存・修復、展示・公開、調査・研究・開発、情報収集・提供、人材育成、海外発信を行う。関連分野の文化事業総合施設を目指す。

 様々な議論を巻き起こした施設・建物は、面積1万と東京都写真美術館を上回る大きなスペースが想定されている。展示施設や上映ホール、研修室、収蔵庫などを持つが、計画案を見る限りでは無難で一般的な美術館・博物館施設に落ち着いている。
 しかし、当初から批判が大きかった建設地や新たな施設建築については、当初言及された東京・お台場に新設とせず、白紙として柔軟な対応が出来る余地を残した。メディアなどからの批判を受けたかたちだ。

 一方で、必要な運営財源は、運営委託による原則自己収入としている。しかし、現在公営の大規模な美術館・博物館のほとんどが運営事業だけでは経営は成り立たず、助成金を受けていることを考えれば、依然実現性の厳しいプランである。
 入場料や関連商品の販売、広告、イベント開催、配信事業などメディア芸術の特色を活かした収入確保や企業からの協賛金、寄付を積極的に受け入れるとしている。しかし、過度な商業主義に走れば、施設設立反対派の主張する通り国営マンガ喫茶まがいになりかねない。運営計画に甘さが残っている。今後の計画案修正で詰めるべき部分となりそうだ。

 しかし、こうした計画案の内容以外にも、国立メディア芸術総合センター設立実現へのハードルは高い。8月30日に行われる衆議院選挙の結果次第では、現在、野党の民主党が自民党に替わり政権を取る可能性があるからだ。
 民主党は国立メディア芸術総合センター関連の予算の執行停止にも言及している。そうなれば全体計画自体が、宙に浮く可能性もある。ようやくかたちの見えてきた国立メディア芸術総合センターの概要だが、計画実現までにはまだ様々な障害がありそうだ。

文化庁 /http://www.bunka.go.jp/
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