宮崎駿監督の最新作『崖の上のポニョ』が、8月14日から全米公開され大きな注目を集めている。その一方で、もうひとつの日本アニメの話題作が、7月3日より米国でロングランの劇場興行を続けている。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 序』である。 日本では2007年に劇場公開された作品は、今年米国の大手アニメーション流通会社ファニメーションが鳴り物入りで北米ライセンス獲得した。その北米展開の一環として劇場興行も行っている。 しかし、この『ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 序』の興行形式が、通常の映画とかなり異なった形式を取っている。 一般に米国では、1000スクリーンから4000スクリーンを利用した全国公開、数館から100館超規模の限定公開が多い。また、最近では日本アニメをデジタル上映により1日のみ、2日間のみ数百館規模で集中的に上映することも増えている。 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 序』は、このいずれとも異なった形式が取られている。公開劇場数は、現在、およそ100館が発表されているが、うち67館はカナダの劇場である。上映はいずれも2日間、ここではいわゆる集中上映方式となっている。 ところが、残り20数館については、全米各地の劇場で1日から1週間個別に上映する。1日、2日の上映はやはりイベント的な色彩が強いが、1週間上映する13都市は、米国での正式な劇場上映とするのに十分な規模である。つまり、集中上映とイベント上映、限定公開が巧みに組み合わせられたのが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 序』の米国興行である。 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 序』を限定公開と考えると、これはかなり画期的な出来事である。ディズニーと協力関係にあるジブリ映画を除くと、過去5年間で10館以上の劇場公開(集中上映除く)をした日本アニメは、『Appleseed』、『スチームボーイ』、『イノセンス』、『パプリカ』しか存在しないからだ。 さらに今回『ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 序』は、既にロサンゼルス地区で1週間の商業上映を行っている。これによりアカデミー賞の選考対象資格が生まれている。製作者の応募が前提であるが、『ヱヴ新劇場版』がアカデミー賞の予備選考、ノミネート選考の対象作品に挙げられる可能性はかなり高くなっている。 現在の興行成績は1万6400ドル、日本アニメ歴代30位に留まっている。しかし、5都市同時に1週間の公開が行われる9月25日、9月末と10月初旬のカナダ67館での集中上映などもあり、こちらの伸びも期待される。当サイトの関連記事/「ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 序」 北米80館で劇場上映「ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 序」北米公開スケジュール7月3日 シアトル(1週間)7月16日 ヒューストン(1日)7月17日 ロサンゼルス(1週間)、フェニックス(1週間)7月29日 サンディエゴ(1日/劇場5館)7月30日 ヒューストン(1日)8月14日 デンバー(1週間)、ボストン(4日間)8月16日 ニューオリーンズ(4日間)8月21日 ポートランド(1週間)、アルバカーキ(2日間)8月26日 オースティン(1日)9月4日 サンフランスコ(1週間)9月11日 ボルチモア(1週間)、デイトン(3日間)9月18日 ニューヨーク(1週間)、ホノルル(1週間)9月23日 ボルダー(1日)9月25日 ロサンゼルス(1週間)、アーバイン(1週間)、アトランタ(1週間)、シャルロット(1週間)、ミネアポリス(1週間)、アンカレッジ(2日間)、サンアントニオ(1日)9月27日 サンアントニオ(1日)9月30日 サンアントニオ(1日)9月30日 カナダ67館 1日上映イベント10月2日 カンザスシティー(3日間)10月3日 カナダ67館 1日上映イベント10月8日 アーリントン(1日)
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