[韓国企業の積極攻勢] そうしたなか、MIFAにも数少ないが日本の企業が参加していた。ひとつは練馬アニメーション協議会の団体出展で、その中にはスタジオ雲雀やミルキーカートゥーンなど企業・作品の紹介が行われていた。もうひとつは東映アニメーションである。 米国企業の参加も少ない。この理由はよく分からないが、米国のアニメーションの多くが米国系の現地の放送会社で放映されることが多いためかもしれない。もしくは、単純にMIPCOMやカンヌといったより大きな市場を好んでいる可能性もある。 一方で、アジアの国では、韓国の積極的な出展が目立った。今年の韓国は映画祭ではやや退潮気味であったが、ビジネスになると驚くほど元気であった。この理由は国や地方自治体による積極的な後押しがある。行政による共同ブースの大きさが目立った。 韓国の出展が積極的な別の理由は、同国のアニメーションが実は日本アニメのような年齢の高い層に向けた2Dアニメーションでなく、子供向けの3Dアニメーションやカートゥーンスタイルの作品が多いことだろう。韓国のアニメーションはヨーロッパに受け入れられやすいスタイルで、むしろ輸出することを念頭に置いて制作している様子が伺えるからだ。 しかし、会場を見回すと、こうした韓国の戦略が成功するのかどうかは、やや懐疑的に感じた。先に触れたように、ヨーロッパ産のアニメーションは、おそらく既に供給過剰なほど制作されている。 たとえクオリティが高い作品でも、放送割当枠(クウォーター制)もあるヨーロッパの放送局が、敢えて国内企業、EU企業に似た作品をEU、ヨーロッパ以外の地域から購入するインセンティブが乏しいように感じるからだ。[異彩を放つ東映アニメーション] そうした中で気になったのは、東映アニメーションのブースである。同社のブースは、今回映画祭のテレビアニメーション部門で公式セレクションされた『うちの3姉妹』を強力に推していた。さらに『ドラゴンボール』、『ONE PIECE』といった、日本で人気のある2Dアニメーションが主力である。 日本アニメ独特のアニメスタイルは、会場で異彩を放っていた。そして、会場の中で唯一ショーケースを設けて、キャラクター商品を並べていたのも東映アニメーションである。MIFAの中で多くの企業は映像を売るビジネスをしていても、商品ライセンスを売るビシネスを行っていない。 東映アニメーションのブースはかなり異質であったし、その異質さが支持されているか、拒否されているかもなかなか分からない。ただ、ヨーロッパのアニメーションと同じものであれば、そのクオリティにかかわらずヨーロッパの作品でよいのだろう。 もしビジネスを考えるなら、むしろ代替の利かない独自のスタイルを持つことが重要でないだろうか。それこそが日本アニメがヨーロッパで存在感を持てる理由に違いない。どんな国の放送局でもラインアップの多様性は重視される。日本企業とアニメーションが生き残る道はそこにあるはずだ。 /1に戻るアヌシー国際アニメーション映画祭 公式サイト/http://www.annecy.org/home/index.php?Page_ID=2
生成AI&モーションキャプチャーで制作のアニメ映画「死が美しいなんて誰が言った」2つの国際映画祭に選出!上映が決定 2024.6.13 Thu 12:15 生成AIを全編に使用した世界初の長編アニメ映画として制作され…