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上映は東京・テアトル新宿と大阪・テアトル梅田を予定している。新海誠監督など新人アニメーション作家のプロデュースに定評があるコミックス・ウェーブの一押し作品だけに、映像ファンの期待も高いだろう。
『アジール・セッション』のアオキタクト監督は、1999年にインディーズバンドShao Gueeを結成し、民族音楽とロックの融合させたモチーフの楽曲で注目を浴びた。2003年の音楽活動休止後に、3DCGアニメに興味を持ち、2005年にデビュー作『ハルヲ』を完成させた。これが大きく注目を浴びることになった。
その後、コミックス・ウェーブやブロスタTVとこの長編アニメ『アジール・セッション』の制作に入り、今回の劇場映画デビューとつながった。
物語は文明の発展を止め衰退した遠い未来の社会を舞台に、家出をした高校生ヒヨコと人々がテントで日々を生きるスタジアム“アジールで彼女が出会ったストリート・チルドレンのリーダー格アキラと出会いから始まる。
利権のためスタジアムの取り壊しを図る警察に対抗して計画するストリートカルチャーのイベント“アジール・セッション”。その行方はどうなるのか。
作品は物語魅力に加えて、アオキタクト監督の音楽畑の経験が作品に躍動感あふれる映像と音楽を与える。これが『アジール・セッション』の持ち味となっている。
さらにヒヨコ役のボイスキャストに『涼宮ハルヒの憂鬱』のハルヒ役などで人気の平野綾さん、アキラ役には舞台「遥かなる時空の中で」など舞台で活躍する俳優・根本正勝さんを迎える。
アニメ作品はテレビアニメに代表される商業アニメーションや、アニメーション映画祭に出品されるアートアニメーションに二分して考えられがちである。
そうした中でコミックス・ウェーブはインディーズアニメーションに切り口に、良質の作品を取り上げることで、これらとは一線を画した独自の道を進む。『アジール・セッション』も、そうした良質感とエンタテイメント性の双方を持った作品と言えるだろう。
(c)Tact Aoki / BROSTA TV /CoMix Wave Films
「アジール・セッション」公式サイト / http://www.cwfilms.jp/as/