芸術選奨メディア芸術部門に岩井俊雄さん、新人賞井上雄彦さん | アニメ!アニメ!

芸術選奨メディア芸術部門に岩井俊雄さん、新人賞井上雄彦さん

 文化庁は様々な芸術分野からその分野で大きな活躍をした人物を顕彰する芸術選奨文部科学大臣賞と芸術選奨文部科学大臣新人賞の今年の受賞者を発表した。芸術選奨はこれまで演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、古典芸術、放送、大衆芸能、評論の10部門から構成されて

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 文化庁は様々な芸術分野からその分野で大きな活躍をした人物を顕彰する芸術選奨文部科学大臣賞と芸術選奨文部科学大臣新人賞の今年の受賞者を発表した。芸術選奨はこれまで演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、古典芸術、放送、大衆芸能、評論の10部門から構成されてきた。
 今年はこれに新たにメディア芸術部門が加わった。そのメディア芸術部門初の文部科学大臣賞は、メディアアートの第一人者岩井俊雄さんが、同新人賞はマンガ家の井上雄彦さんが受賞した。

 岩井俊雄さんは、近年、全く新しい電子楽器「TENORI-ON」の開発で世界的に注目を浴びた。これまでも、アナログとデジタル、映像と音楽を組み合わせた表現活動を行っている。
 また、テレビ番組『ウゴウゴルーガ』や任天堂DS『エレクトロプランクトン』、三鷹の森ジブリ美術館に設置された立体ゾートロープの制作などの活動も評価された。

 井上雄彦さんは、『SLAM DUNK』や『バガボンド』などのマンガで世界的に知られた存在だ。今回は特に、2008年に上野の森美術館で開催された「井上雄彦最後のマンガ展」の活動が評価された。
 贈賞理由ではこの展覧会について、「美術館空間の全体を活用してのダイナミックな画面表現行為は画期的であり、マンガ展の在り方に新しい次元を切り拓いた。」としている。

 メディア芸術部門の新設は、文化庁が新たな芸術分野としてアニメ、マンガ、ゲーム、CGなどを取り上げてきた文化庁メディア芸術祭の成果といえる。
 実際に、岩井俊雄さんは、今年の文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門の大賞受賞者、井上雄彦さんは2004年のマンガ部門の大賞受賞者である。

 今回メディア芸術という部門の枠組みが出来たことで、芸術選奨に今後もアニメやマンガ、ゲームが積極的に取り上げられて行く可能性が大きくなった。これまでこれらの文化の創造に貢献した人々を、国が何かのかたちで顕彰すべきといった強い要望があったが、それに応えるかたちとなる。
 アニメやマンガ、ゲームは表現手段としては必ずしも新しいものではない。しかし、これまで他の文化に較べて、その成果への評価は見落とされがちだった。そうした点では、国の文化行政の変化をも感じさせる。

文化庁 / http://www.bunka.go.jp/index.html
文化庁メディア芸術祭 / http://plaza.bunka.go.jp/

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