また、『崖の上のポニョ』は、18本ある長編アニメーション部門の公式出品作品でもある。映画祭での成果も期待されているに違いない。この長編アニメーション部門には、『崖の上のポニョ』以外に『EX MACHINA-エクスマキナ-』(荒牧伸志監督)、『河童のクゥと夏休み』(原恵一監督)、『ピアノの森』(小島正幸監督)が公式出品される。 さらに注目されるのは、『劇場版 NARUTO -ナルト-大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!!』(岡村天斎監督)、『劇場版 NARUTO -ナルト- 大激突!幻の地底遺跡だってばよ』(川崎博嗣監督)、『劇場版 NARUTO -ナルト- 大興奮!みかづき島のアニマル騒動だってばよ』(都留稔幸監督)の3本の劇場版『NARUTO』が含まれている点である。日本では旧作映画であるが、今回の大量出品で今後のヨーロッパ市場展開の可能性がある。
これらの作品により長編アニメーション18本のうち8作品が日本からの出品となる。劇場アニメーションにおける日本のプレゼンスの強さを示した。 しかし一方で、およそ130本が出品される短編アニメーション部門は鈴鹿哲生さんの『Clear Skies in May 五月晴』と 木村卓さんの『Kudan』の2本にとどまっている。また、広告・音楽部門では日本からの出品はなく、これらの分野での存在感は薄い。
Anima2009では、ワークショップや講演会を含む多彩なイベントも行われる。米国のラルフ・バクシ監督の回顧特集が組まれ、1978年の『指輪物語』、『フリッツ・ザ・キャット』、『ファイヤー&ダンス』など代表作が上映される。 また米国のアニメーション監督の巨匠ビル・プリンプトン氏が最新作『Idiots and Angels 』と共にゲストになる。プリンプトン監督は、日本では『東京オンリーピック』の中の1編『ラブレース』でも知られている。 さらにバンドデシネのイベントや「Cosplay” competition」と名付けられたコスプレ大会が開催されるのも珍しい。