シンプソンズ ファン感謝祭開催 大御所声優16人登場 | アニメ!アニメ!

シンプソンズ ファン感謝祭開催 大御所声優16人登場

 2008年5月4日、なかのZEROホールにて「ザ・シンプソンズ ファン感謝祭」が開催され、抽選で選ばれたおよそ500名のファンが詰めかけた。  このイベントは、劇場版『ザ・シンプソンズ MOVIE』の上映に際してテレビオリジナルキャストが出演できない状況になったこと

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simpsons1.JPG 2008年5月4日、なかのZEROホールにて「ザ・シンプソンズ ファン感謝祭」が開催され、抽選で選ばれたおよそ500名のファンが詰めかけた。
 このイベントは、劇場版『ザ・シンプソンズ MOVIE』の上映に際してテレビオリジナルキャストが出演できない状況になったことがきっかけとなっている。この際に、ファン有志が映画会社に対して運動を行ったことから、DVDとブルーレイディスクで「オリジナルキャスト版」が収録されることになった。

 一連の運動について、大平透さんをはじめとする声優陣がファンに感謝し、大平さんを代表とする「シンプソンズ声優一同」による主催で今回のイベントの開催となった。 
 イベントは、映像パッケージの宣伝プロモーションをする20世紀FOXホームエンターテイメントの承認も受けている。参加には『ザ・シンプソンズ MOVIE』のDVDかブルーレイディスクを持参することが条件となっていた。

 イベントには大平透さん(ホーマー)、一城みゆ希さん(マージ等)堀絢子さん(バート)、神代知衣さん(リサ)ら、シンプソンファミリーに加え、作品に登場する膨大なキャラクターに一人何役もの声を当てる声優陣も登場した。
 出演したのは真柴摩利さん、安達忍さん、桜井敏治さん、中村大樹さん、島田敏さん、辻親八さん、朝戸鉄也さん、伊藤栄次さん、鈴木れい子さん、目黒光祐さん、紗ゆりさん、さとうあいさんである。

simpsons2.JPG イベントがスタートすると、キャストによる生音声ドラマが流された。ファンにとっては垂涎ものである。続いて司会を務める一城さんと島田さんの二人が登場した。
 一城さんはウィッグを付け服装を合わせて、役柄のマージ・シンプソンのコスプレで、会場の大きな拍手に早くも涙ぐむ様子だった。

 大平さんによる開会の挨拶は「本当にありがとう…。もう胸がいっぱい」という言葉から始まった。続いて「みなさんの大きな声で、決断しました。今までのことは水に流して、みなさんのご希望に添いたい。みなさんの力で今日があるんです。本当にありがとう」と語った。時に冗談を交ぜながら感動的な語りだった。

 上映会はブルーレイディスクを大スクリーンで上映する形で、実に日本では公開から5ヶ月遅れでの「オリジナルキャスト版上映」となった。
 上映会後には大平さんによるサイン会が行われた。大平さんは、抽選だともらえない人もいて可哀相だから確実に届けたいと、今回来場者全員に書くことになった。その間、会場では出演声優のキャラクターボイスによる映画にまつわるクイズ大会やプレゼンと大会が行われた。

 会場にはシンプソンズ組を日本で最初に放送したWOWOWの元プロデューサー橘田氏も登壇し、制作当時の様子を語った。
 「(先に放送していた)アメリカでの評判が高かったので一流の方を選んだ。これだけの声優さんに出て頂くのですから緊張感を持って制作しました。アフレコに際しては、翻訳台本チェック後に演出担当と実際に声をあててチェックをして、言葉を直してからお渡ししていた」という裏話を語った。これにはベテランのお二人も思わず驚きと感謝の声を上げていた。

 全てのプログラムが終わり、最後の挨拶で大平さんは、「大勢のファンの皆さんが私どもの後ろについて応援してくれていることを実感しました。これからテレビシリーズが続いていけるように応援して下さい。 今日はお礼の言葉もございません。ありがとうございました」と語り、一時続投が危ぶまれたテレビシリーズへの意欲を見せてファンを安心させ、喜ばせた。

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 この後、全出演者が並んで、来場したファンを握手で送り出すというサプライズが行われ、ファンを喜ばせた。ファンイベントで大御所の声優が一堂に会することでも貴重な機会だが、一人一人声をかけて交流する様子は感動的だった。

 大平さんをはじめ今回出演した声優には日本俳優連合の理事が何人も含まれている。そうした協力も一面にはあるのだが、別の側面を考えるとそうした大御所の方々がいかにファンを大事にしているかが分かる。
 また、昨年のキャスト変更で、日俳連と制作側に緊張が生まれたことも事実だろう。しかし、今回のイベントの挨拶で大平さんはテレビシリーズへの意欲を見せた。今回のキャスティング騒動は、ファンからみればオリジナルキャストが、劇場版でも演じていたはずのことで、それが元に戻ったことになる。失われたものもあるが、それを立て直すことで得たものも大きい。

 『ザ・シンプソンズ MOVIE』という映画は、ホーマーが(彼の場合は自業自得で)、街の人や家族の絆を失い、自らの力で取り戻す物語である。今回の騒動をそうした物語になぞらえるのは穿ちすぎだろうか。
 いずれにせよ、ふたたび活力を得たホーマーが、劇中でハチャメチャをやるように、声優の方々にも今後一層の活躍をしたい。
【日詰明嘉】

シンプソンズ・ファンクラブ・ブログ /http://d.hatena.ne.jp/simpsons333/

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