東芝は自社が中心となって進めてきた次世代映像ディスク規格HD DVDからの撤退の検討をしているとの報道が相次いでいる。現在のHD DVD陣営の苦戦を受けたものである。 もともとは今年1月4日に、米国のメジャースタジオの一角ワーナー・ブラザースが、HD DVDのライバルであるブルーレイ陣営の単独支持を表明したことに始まる。これにより北米の映像ディスク市場のおよそ7割がブルーレイ単独陣営となった。 こうした映像ソフト会社の動きに加えて、今週になり米国最大の家電・DVDソフトチェーン ベストバイ、世界最大の小売チェーンのウォルマートが相次いでブルーレイ重視を打ち出した。このため映像ソフトの供給に加えて、小売でのHD DVDの劣勢が明らかになった。 この結果HD DVDハード機の売上の急減が伝えられるなど、同陣営の形勢不利が明らかになっている。東芝にとってはこのまま不利な戦いを続けるよりも、次世代ディスク規格争いから撤退するほうが長期的には損失が少なくなる可能性が高い。 もし、東芝がHD DVDから撤退すれば、HD DVDは事実上市場から消えるだろう。そうなれば現在生産されているHD DVDのソフトは、一気に不良在庫に変わる。これはアニメのHD DVDでも同じである。 それを念頭にこれまで発売されたHD DVDのアニメタイトルをあらためてみると、国内6作品『アフロサムライ』、『ブレイブ ストーリー』、『機動警察パトレイバー2 the Movie』、『機動警察パトレイバー 劇場版』、『王立宇宙軍 オネアミスの翼』、『ベクシル 2077 日本鎖国』の商品が確認出来る。 コミックス・ウェーブフィルムが発売予定の『秒速5センチメートル』、『雲のむこう、約束の場所』の2作品を含めても8作品のみである。この数はこの1月からのHD DVDの苦戦を考慮しても驚くほど数が少ない。 さらにこのうち5作品(予定を入れると7作品)がブルーレイでの発売も行っており、HD DVDのみの発売はDVDとセットで先月1月25日に発売された『ベクシル 2077 日本鎖国』だけである。 このほか北米向け商品だが、国内でも限定発売された『FREEDOM』シリーズがHD DVD(DVDとのセット)のみとなっている。 『FREEDOM』シリーズは、既にバンダイビジュアルUSAが、HD‐DVDとDVDのセット発売を今後も続けると表明しているが、東芝の方向転換しだいでは何らかの影響が出る可能性はありそうだ。 いずれにしろアニメタイトルのHD DVDの在庫数は、業界全体で見てもそれほど多くない。これらのタイトルが不良在庫となったとしても、各企業にとっては規格争いの影響で遅れていた次世代ディスクの普及が加速化することのほうが利点は大きいだろう。 これまで国内アニメのパッケージメーカーは、次世代デイスクに対して多くが様子見であった。しかし、予想外に早く規格争いに決着がつきそうな気配になったいま、そうした戦略が正しかったということになりそうだ。【HD DVDでの発売タイトル】『アフロサムライ』(ブルーレイもあり)『ブレイブ ストーリー』(ブルーレイもあり)『機動警察パトレイバー2 the Movie』(ブルーレイもあり)『機動警察パトレイバー 劇場版』(ブルーレイもあり)『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(ブルーレイもあり)『ベクシル 2077 日本鎖国』(DVDとのセット発売)[2月23日追記]上記記事以外にHD DVDで発売、発売予定の作品は下記のものがありました。「エクスマキナ APPLESEED SAGA」(HD DVD+DVD)(3月14日発売予定)ラーゼフォン DVD-BOX(HD DVD付属)
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