6月11日から16日までフランスのアヌシーで開催される世界最大のアニメーション映画祭アヌシー国際アニメーション映画祭は、長編映画部門を除く2007年の公式出品作品を決定した。 映画祭は世界4大アニメーション映画祭のひとつであるだけでなく、最も規模が大きく世界的にも名の知られたアニメーション映画祭である。 今回発表されたのは、世界各国から応募された1826作品から選ばれた224作品である。これらの作品は短編映画コンペティション部門51作品、短編映画パノラマ部門21作品、学生部門51作品それにTVと商業アニメーション部門の71作品である。TVと商業アニメーション部門は、テレビシリーズ、テレビスペシャル、コマーシャル、ミュージックビデオ、教育映画にさらに細分化されている。 コンペティションのなかの長編映画部門については、アヌシー映画祭は現在29作品を選考しており最終的に5作品から10作品の公式出品に絞るとしている。長編映画の選考結果は、3月26日から30日の間のいずれかの日に発表する。 公式出品のうち注目度の高い短編アニメーションのコンペティション部門では、山村浩二さんの『田舎医者』が選ばれている。作品はドイツの文豪カフカの原作をもとにしたものである。山村浩二さんは2003年に『頭山』でアヌシーグランプリの受賞経験もあり、今回も活躍が期待される。 日本からの作品の活躍が目立つのは日本のアニメが得意とするテレビアニメーション部門である。34作品のうち5作品が日本からの出品である。 このうち『怪〜ayakashi〜JAPANESE CLASSIC HORROR 化猫』は東映アニメーション制作、日本では昨年フジテレビの深夜枠「ノイタミナ」で放映され、ユニークな題材と一般視聴者から支持の高さで話題を呼んだ。 『うっかりペネロぺ』と『やさいのようせい第6話ガーリックの嘘』は、ともにNHK教育で放映される子供向けの短編シリーズである。『うっかりペネロぺ』の制作は日本アニメーションである。 さらにマニア向けのアニメ作品からも『xxxHOLiC 第1話』(水島努監督)が選ばれた。また、中尾浩之さんの『Dynamite Guys 』も選ばれている。中尾さんは、昨年も2作品を公式出品しており、映画祭の常連になりつつある。 さらに短編アニメーションパノラマ部門では、オタワ国際アニメーション映画祭で実験アニメーションとして高い評価を受けた永田武士さんの『Pikapika, Lightning Doodle Project』が選ばれている。 しかし、学生部門には、日本からの出品はなく少し寂しい結果となっている。 今年のアヌシーは、特にベルギーとオランダ、ルクセンブルグのコミックとアニメーションにスポットをあてる予定である。3カ国から特別ゲストを招き、コンペティションとは別にこれらの国の特集上映が行われる。 また、昨年の長編映画のベスト映画には、今年7月に日本で公開予定のクリスチャン・ボルクマン監督の『ルネッサンス』が選ばれている。/アヌシー国際アニメーション映画祭
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