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藤子・F・不二雄ミュージアムは藤子・F・不二雄氏の遺族と川崎市が進めるプランで、完成すれば「ドラえもん」だけでなく様々な藤子作品にふれることの出来る場となる。
こうしたことから今回の展覧会は、藤子・F・不二雄氏の遺族と藤子プロや小学館などの協力も得ることで、これまでにない展示内容となっている。
展覧会の一番の目玉は、50点あまりの故藤子・F・不二雄氏の生原稿である。それぞれの原稿は多くの人が昔馴染んだ『ドラえもん』の人気場面である。下書きや修正箇所などもわかり、単行本とはまた異なった『ドラえもん』のマンガの世界を感じ取ることが出来る。
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展覧会場の構成は、この原画展示が中心になっている。原画展示は「みんな大好きドラえもん」「ドラえもんの秘密道具」「ドラえもんのすこし不思議空間」「ドラえもんとずっと一緒」の4つのパートに分けられた。
それに『ドラえもん』の歩みを辿るコーナー、キャラクターグッズの紹介が加わる。さらにそうした展示の間に、8人の現代美術家によるドラえもんをテーマにした現代アートが展示されている。
面白いのはこうした現代アートが、会場に溶け込みまるでキャラクターグッズのように見えることだ。アートとキャラクターの融合が感じられるなんとも不思議な空間になっている。
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マンガやアニメ関連企画を主要研究分野とする川崎市民ミュージアムだが、この「ドラえもん展」のあとはしばらく展示を休む予定である。そして、マンガなどポップカルチャーを中心にした美術館機能をさらに強化して4月に再オープンする。
その最初の企画展のテーマは、韓国の現代マンガになる。今後も、個性的で多彩なプログラムが期待できそうだ。
/川崎市民ミュージアム
みんなのドラえもん展―魅力(みりょく)のひみつ―
2007年1月20日~2月25日
川崎市市民ミュージアム 企画展示室
主催:「みんなのドラえもん展」実行委員会、川崎市市民ミュージアム
企画・構成:川崎市市民ミュージアム漫画部門
特別協力:藤子プロ
協力:小学館、テレビ朝日、シンエイ動画、アサツー ディ・ケイ、小学館プロダクション