8月23日から広島市で開催された広島国際アニメーションフェスティバルは、8月28日にコンペティション部門53作品を含む世界各国のおよそ400の作品を上映し閉幕した。 最終日にはフェスティバルの目玉でもあるグランプリを初めとするコンペティション作品の各賞の発表と授賞式行われた。今年は応募数が過去最高の1764作品に達し、フェスティバルの拡大と知名度の高まりを印象でづけた。 そんななかでグランプリ作品は、ロシアのアーティストであるイゴール・コバリョフさんの『ミルク』が受賞をした。ロシアのアーティストのグランプリの受賞は、第3回大会で旧ソビエト時代のアレクサンドル・ペトロフさんが『雌牛』で受賞して以来である。 『ミルク』は崩壊寸前の家族の暗い雰囲気を描ききったと高く評価された。また、受賞の理由によれば、デザイン、アニメーション、証明、サウンド全てを見事に駆使しているという。 ヒロシマ賞には韓国のヒュンユン・チャンさんのファンタジックな作品『ウルフ・ダディ』が選ばれた。こちらは、日本のCGアニメコンテストの作品賞の受賞もしており、日本でもおなじみの作品になりつつある。 このほかデビュー賞にはマルコム・サザランドさんの『バードコールズ』、木下蓮三賞にはシモーネ・マッシさんの『ザ・メモリーズ・オブ・ドッグス』、観客賞にはアレクサンドル・ペドロフさんの『マイラブ 初恋』が選ばれた。 また、今年から設けられたコンペティション作品のなかから最も幻想的な作品を選ぶルネ・ラルー賞は、フィリップ・グラマティコポロスさんの『ザ・レギュレーター』が、強烈なイマジネーションと白と黒の力強いグラフィックスが評価され受賞した。 しかし、日本からの応募作品は、アートアニメーションのベテラン山村浩二さんの『年をとった鰐』が優秀賞を受賞するだけに終わり少し寂しい結果になった。 それは世界のインディーズのアニメーションのレベルがそれだけ高いことと広島国際アニメーションフェスティバルが海外の多くの優秀なアーティストから注目されていることも示しているだろう。グランプリ 『ミルク』イゴール・コバリョフヒロシマ賞 『ウルフ・ダディ』ヒュンユン・チャンデビュー賞 『バードコールズ』木下蓮三賞 『ザ・メモリーズ・オブ・ドッグス』シモーネ・マッシルネ・ラルー賞 『ザ・レギュレーター』フィリップ・グラマティコポロス観客賞 『マイラブ 初恋』アレクサンドル・ペドロフ/広島国際アニメーションフェスティバル
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