6月5日からフランス・アヌシーで開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭は、今年度の特別企画として「アニメーションの世紀 100作品」を発表した。この企画はアヌシーとバラエティの共同企画で、過去100年間で最も気に入っている短編アニメーション作品をまとめあげたものである。 選出方法は、まずアヌシーとバラエティが、世界中からアニメーションの専門家30人を選び出した。その30人それぞれが挙げたアニメーション作品をさらに100作品に絞ったものである。 作品のリストはアニメーション作品の創始者エミール・コールの古典『ファンタスマゴリー』 (1907)やウィンザー・マッケイ『恐竜ガリティ』(1914)などから始まり、2002年の山村浩二の『頭山』、クリシトファー・ヒルトン『Flux』まで、100年近くの世界のアニメーションの歴史が凝縮している。 その間をウォルト・ディズニー『蒸気船ウィーリー』といったエンタテイメント作品も織り交ぜながら、テックス・アベレイやユーリ・ノルシュテイエンやさらに東西ヨーロッパの巨匠達が埋めている。 選ばれた作品はアニメーション映画の歴史が古いことから、欧米諸国の作品が圧倒的に多い。しかし、作品の母国はアメリカや英国、ドイツ、フランスといった西ヨーロッパの主要国に加えて、チェコスロバギアなどの東欧諸国の作品も数多く、この地域のアニメーションが過去100年の長いアニメーションの歴史に大きな貢献をしてきたことがわかる。 また、フランスのほかカナダの作品が多いのは、カナダがアヌシーの開催されるフランスと同じフランス語圏であることを多少割り引く必要があるかもしれない。 こうした欧米の作品が中心となるなかで、日本からは4作品が選ばれている。川本喜八郎『道成寺』、手塚治虫は『ジャンピング』、『おんぼろフイルム』の2作品、それに選出作品の中では最も新しい作品となった山村浩二の『頭山』である。 今回の作品は短編作品が中心となっているため、日本が誇るジブリ映画作品やテレビアニメーションは入っておらず、『白蛇伝』や『太陽の王子ホルスの冒険』といった作品も入っていない。選出されなかった日本の短編作品のなかには、入ってしかるべき作品は少なくない。しかし、それでも欧米以外では唯一複数作品を送り込んだ日本もまた、アニメーションの歴史に貢献しているではないだろうか。/アニメーションの世紀 100作品 /アヌシー国際アニメーション映画祭
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