SF作家菊地秀行氏の『妖獣都市』の実写映画化企画がドイツで進んでいるという。これは米国のエンタテイメン業界情報誌のバラエティが報じたもので、同誌によればドイツの映画会社Stallion Filmの手で英語版での映画が製作される見込みである。 Stallion Filmは既に『妖獣都市』の映画化権を入手しているほか、映画監督と共同プロデューサーに映画『スポーン』のマーク・ディッペ氏が決まっている。また、映画の脚本をディッペ氏と『Uボート』のジョニー・ハートマン氏が書く。 映画の予算は5000万ドルから6000万ドル(およそ59億円から71億円)で、2007年初頭の制作開始を目指しているとバラエティは伝えている。 『妖獣都市』は、菊地秀行氏の80年代の人気シリーズで人間界と魔界を舞台に、主人公である闇ガードの戦いを描いている。日本では、1987年に川尻善昭監督の手によりアニメ化されているが、その美術センスなどで評価が高い。また、1992年には、香港資本で一度実写化されている。 日本では過去の作品である『妖獣都市』の海外での大作映画化は、意外感もあるかもしれない。しかし、アニメ版『妖獣都市』は『Wicked City』の名前で海外でも知られており、特に米国マニアの間で高い人気を誇っている。 『獣兵衛忍風帖』や既にアメリカで実写映画化が進んでいる『銃夢』などと伴に、90年代の米国アニメマニアのムーブメントを引っ張ってきた作品の代表である。 今回の映画化計画は、映画原作不足に悩む米国で相次ぐ日本のカルトなマンガ・アニメの原作採用の一連の流れの中にあるといえるだろう。 なお、バラエティでは日本マンガの実写映画化と伝えているが、実際にはマンガ化された『妖獣都市』が確認できないため菊地氏の小説と1993年の川尻善昭監督のアニメ版の実写映画化を指していると思われる。/バラエティ /Stallion's on 'Wicked' kick for pic/菊地秀行公式ファンクラブ
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