実際には、コミック・グラフィクノベル中心のイベントといえる。また、初日の午後はビジネスデイとされていたが、実際に展示場で活発にビジネスをしている様子は見られなかった。企業ブースの大半もファン向けの物販を意識した作りになっており、ビジネスイベントとしては、まだまだという感じが強い。
NYコミコンに先立って行われたグラフィックノベル・コンファレンスでは、グラフィックノベルとマンガの勢いが大きなトピックスだった。しかし、そうした勢いとは裏腹に会場は、全体的にコミック色が強いと感じた。
それは、客層にも現れていた。初日の金曜日の夕方だけをみると、伝統的なコミックファンの比較的年齢が高い男性ファンが目立っていた。例えば、カリフォルニアのアニメエキスポで見られる小学生や中学生、若い女性の参加者はあまり見られない。

近年のVizの積極的な行動により、多くのアメリカ人にとってVizは、既に日本の会社でなく、米国のメジャーなグラフィックノベルの出版社と思われ始めているように感じる。
そのほかマンガ系の出版社には、Tokyopop、セントラルパークメディア、デルレイといったところがあった。どの出版社も積極的販売・広報を行い、ここではマンガ出版の勢いを感じさせていた。
しかし、アニメ関連ではADVフィルムやファニメーションの参加はあったが、アニメイベントの時のような勢いは感じられない。会場の中でのマイナー感が拭えなかった。
また、大手のマンガ出版社の活躍にもかかわらず、全体がコミック中心のイメージがあったのは、中小の小売業者やアーティストアレイの参加者がコミック系の会社で占められていたことに理由がありそうだ。
/ニューヨークコミコン