アメリカで、久々に2Dの味わいを残したアニメーション映画が大規模な全米公開をされ話題を呼んでいる。この映画は『キャリアス・ジョージ』といいい、絵本作家H・A・レイとマーガレット・レイが1941年に生み出した子ザルを主人公にした人気絵本を原作としている。 製作はユニバーサルとイマジン・ネットワークで、監督は『リトル・マーメイド』などで知られるマチュー・オカラガンである。 近年、2Dアニメーションは客が入らないとされ、ハリウッドの大手スタジオはアニメーション制作の中心を軒並み3Dアニメーションに移している。実際に、『スポンジボブ』や『遊戯王』、『サウスパーク』など、TVアニメーションから派生したアニメーション以外で興行成績上位に作品はほとんどない。 近年、興行成績で上位になったのはドリームワークスの『シンドバット 七つの海の冒険』(2003年7月)やウォルト・ディズニーの『トレージャー・プラネット』(2002年11月)などがある。しかし、いずれも巨額の制作費を回収出来ず、両社が2Dアニメーションから撤退する引き金ともなっている。 2月10日に全米2566館で公開された『キャリアス・ジョージ』は、最初の週末で興行成績第3位。これは、今年1月に公開された3DCGアニメーション『フードウィンクド』の初登場と同じ順位である。 しかし、それでも『キャリアス・ジョージ』の宣伝費を含まない製作費は、5000万ドルである。最初の週末の興行収入1470万ドルとはほど遠い。これをどう判断するかは難しいところだろう。 それでも昨年は、パペット・アニメーションの『コープス・ブライド』やクレイ・アニメーションの『ウォーレスとグルミット』が大ヒットをしている。また、アカデミー賞も、これに2Dアニメーションの『ハウルの動く城』を加えたものとなっている。 本来アニメーションの面白さは、制作方法によらないはずである。久々の2Dアニメーションの成果に期待したい。/キャリアス・ジョージ公式サイト /ユニバーサル /イマジン・エンターテイメント
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