財団法人デジタルコンテンツ協会は、今年で20回目になるデジタルコンテンツグランプリのデジタルコンテンツ部門DCAj会長賞に、山崎貴監督の『ALWAYS三丁目の夕日』を選出した。『ALWAYS三丁目の夕日』は、西岸良平原作のマンガを実写映画化したもので、昭和30年代の風景をデジタル技術で巧みに再現したことで話題を呼んだ。 また、その郷愁を呼ぶ映像世界が幅広い層から人気を集め、先に発表された日本アカデミー賞でも該当全部門でノミネートされている。 デジタルコンテツグランプリはタイトルや受賞部門を変えながら、今年で20年目を迎える。デジタルコンテンツ産業の「新市場創出」と「人材発掘」を目的に、コンテンツやサービス・システムなどのうち、特に優れたものに毎年与えられている。 今年度は、デジタルを利用した作品から選ぶデジタルコンテンツ部門とサービス・システム部門、海外部門から構成されている。 これまでデジタル映像技術は、SFやファンタジー、アニメ、ゲームといった分野で多用されることが多かった。しかし、実際には現在制作される実写映画のほとんどが、多かれ少なかれデジタル技術を映像表現の中に取り入れている。 そうした意味で、今回、アニメやゲーム、特撮映画に属さない『ALWAYS三丁目の夕日』がグランプリに選ばれたことは、デジタル映像技術の広がりという点で大きな意味があるだろう。 このほかデジタルコンテンツ部門の優秀賞には、映画、ゲーム、アニメ作品から4作品が選ばれている。3DCG作品の『惑星大怪獣ネガドン』は、昔の特撮怪獣映画の雰囲気をデジタル技術で再現した。『ALWAYS三丁目の夕日』と同様に1950、60年代へのオマージュを感じる作品である。また、20年ぶりに劇場作品として甦った『劇場版機動戦士ZガンダムⅡ-恋人たち-』も含めると、最先端の技術と思われがちなデジタルコンテンツの賞に懐古趣味的な作品が並ぶ面白い現象となっている。 アニメ作品では『Zガンダム』以外に、日曜日の早朝にロボットアニメという新しい試みで話題を呼んだ『交響詩篇エウレカセブン』が受賞した。そのほか、PS2向けのゲーム作品『ローグギャラクシー』がゲーム作品の中から唯一受賞している。 サービス・システム創出部門ではグランプリ(経済産業大臣賞)にネット音楽配信の「iPod/Podcasting/iTunes Music Store」、優秀賞に「PSP」、「GyaO」、「はてなブックマーク」、「Suicaポスター」が選ばれている。第20回デジタルコンテンツグランプリ デジタルコンテンツ部門受賞作 DCAj会長賞/ALWAYS三丁目の夕日 (監督・脚本・VFX 山崎貴、白組、ROBOT、日本テレビ放送網)優秀賞/惑星大怪獣ネガドン (粟津順監督)/交響詩篇エウレカセブン(京田知己監督、毎日放送、Project EUREKA、ボンズ)/ロードギャラクシー(日野晃博、レベルファイブ) /劇場版機動戦士Zガンダム (富野由悠季監督、サンライズ)/第20回デジタルコンテンツグランプリ /財団法人デジタルコンテンツ協会
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