千葉大学で古いディズニーアニメーションの原画類およそ250点が発見されたことが話題になっている。今回発見されたのは『眠れる森の美女』や『バンビ』、『シンデレラ』、『ファンタジア』などのセル画やスケッチ、背景画、イメージボードで千葉大学工学部の倉庫に保管されていた。 これらは1960年頃、ディズニーが同社のアニメーションを紹介する展覧会開催に利用したものである。展覧会終了後に、ディズニーから国立近代美術館に寄贈された。 さらにその後、千葉大学の故源田秀三郎教授が国立近代美術館から譲り受けたという。千葉大学では、今後は修復保存作業を進めて一般公開も検討している。 しかし、今回、気になるのは発掘されたアニメーション資料の価値とその保存方法である。1960年代以前のディズニーアニメーションのセル画、原画類はその多くが破棄されているため、米国でも極めて稀少で価値が高いものと考えられている。 とりわけ今回発見された『バンビ』や『眠れる森の美女』、『シンデレラ』、『ファンタジア』の作品にはコレクターも多く、金銭的な価値も無視出来ない。例えば、古いディズニー作品のオリジナルの背景がついたセル画は、数百万円、時には数千万円の値段がつくことも珍しくない。 今回のような展覧会で利用されるセル画やイメージボードは、価格のつけられないものも多く、250点という数から考えると億単位の時価総額になることは十分考えられる。作品を千葉大に譲渡した国立近代美術館にしてみれば、先見の明がなかったのが悔やまれることだろう。 また、こうしたセル画類や原画類は光などにも弱く保存が難しい。美術館や修復家と連携した早急な保存対策が必要とされている。本来であれば美術館で保管しなが活用を図るのが望ましいが、現状では日本の美術館にアニメーションの原画類に詳しい機関はほとんど存在しない。/千葉大学 /ウォルト・ディズニー