ここで注目したいのは企画されている映画が完全なエンタテインメントを目指していることである。これまで押井監督の作品は奥が深く哲学的、しばしば難解であると評されて来た。しかし、押井守氏の出世作品とされてきた『うる星やつら2ビューティフルドリーマー』や『攻殻機動隊』、『機動警察パトレイーバー2 the Movie』といった作品は、むしろエンタテインメントに重きを置いた作品群である。 また、押井守が優れたエンターテイナーであることは、80年代に制作されたTV版『うる星やつら』の数多くのエピソードが証明している。企画段階の作品が、当初企画から大きく方向性を変えることは少なくない。しかし、押井守監督による完全なエンタテインメント作品の劇場映画であれば、かなり期待出来る作品と言っていいだろう。この作品企画の正式な発表が待たれる。