このパネルでは、海外における日本コンテンツの状況を音楽とゲームの2つの分野から考えた。まず、関根氏が音楽市場の現状を示したうえで日本の音楽がどのように海外市場で受け入れられているか、欧米、アジア(北東アジア)、東南アジア分けて説明された。 欧米では、これまで日本のアーティストの海外進出が挫折する中で、現在、JPOPとクラブシーンに代表されるエレクトロニカ、また伝統楽器による伝統的な音楽に可能性が見えてきたと説明された。JPOPについては、PUFFYがアニメ番組と連動することで言語の壁を越えて現在の日本カルチャー打ち出し大成功した例を高く評価し、日本のポップカルチャーとの連動に大きな可能性があると考えている。 日本のポップカルチャーとの連動はアジアでも同様で重要であり、アジアではさらにアジアアーティストによる楽曲のカバーやアーティスト本人が現地で活動することも有効だという。 しかし、アジア市場については海賊版や著作権侵害が障害になっているという。このためには、著作権啓蒙と罰則の強化は必要であるが、一方で非パッケージビジネスや原版ビジネスを越えた展開が必要だとする。 中村氏は、この著作権問題について主に中国のゲームビジネスの実情について発言された。まず、中国ビジネスの大前提としてパッケージではビジネスは成立しないであろうという。現在、中国市場では映像で95%、音楽で90%、ゲームソフトで96%が違法ソフトである。ゲーム市場では雑誌などのメディアも海賊版を前提にビジネスが展開されていること、価格による競争力でも海賊版の市場競争力が圧倒的に強いのが現実であるそうだ。 また、中国市場の特徴として、映像ひとつをとってもIMAXシアターで100元だして観る人から、1枚8元のVCDを購入する消費者もいるなど、ハイエンドとロウエンドの市場格差の激しい市場であるともいう。 こうした、状況はゲームビジネスにおいても、関根氏も主張されている非パッケージビジネスモデルが重要になるということであろう。そして、オンラインゲームビジネスが盛況なのは、それがまさにパッケージビジネスを越えたビジネスモデルを構築出来たことにあるのは間違いない。『コンテンツビジネスの未来』レポート2関根直樹氏 音楽ビジネス書作家・翻訳家中村彰憲氏 立命館大学政策科学部助教授生稲史彦氏 一橋大学イノベーションセンター専任講師アマゾンへのリンク中村彰憲氏の中国ゲームビジネスの本 /中国ゲームビジネス 徹底研究2005エフイズムレポート
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