[取材・文:米田果織 撮影:吉野庫之介]
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史上初の快挙! アニラジアワード3冠
――史上初の3冠受賞おめでとうございます! 今のお気持ちを聞かせてください。
ラジオをやっていると、どうしてもスタッフさんの中で「アニラジアワード」の話が出てきていて。ですが「狙ってます!」と声に出してしまうと、取れなかった時のむなしさがすごいことは知っていたので「そういうの言わない方がいいのでは?」と思っていました(笑)。しかし、蓋を開けてみたら史上初の3冠! 本当にたくさんの方に聞いてもらえて愛してもらえているんだなと嬉しくなりました。
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――TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品を背負った番組でもありますからね。
そうなんです。なので、自分からハードルを上げるようなことはしないでおこうと(笑)。しかし、作品の大きさあっての受賞だとも思っています。今回私は代表して受賞式に立たせていただきましたが、キャスト・スタッフみんなで取った賞だと思い、改めて作品の大きさを感じるきっかけとなりました。
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――この受賞をきっかけに、番組を聴き始める方もいると思います。そんな方のために、改めて番組の説明をお願いできますか?
アニメで私が演じている「後藤ひとり」にちなんで、ひとりで始めてひとりで終わらせるという、“ひとり”ということにフィーチャーした番組です。SE出しもすべて自分で行っているのですが、第1回はサンプラーに慣れてなくて「どれ押せばいいんだっけ……」とアタフタしているのが、今になっては「はい、ポチ~!」と利き手じゃない指でもスターンと押せるようになりました(笑)。これから番組を聴く方は、私のサンプラーさばきの成長に是非ご注目ください!
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――アニメでのぼっち(※後藤ひとりの愛称)の成長のように、ラジオでは青山さんの成長が見られるのですね。
成長というか、慣れですかね(笑)? 普通のラジオはブースがあって、スタッフルームにいるディレクターさんとガラス越しにコミュニケーションを取ることが多いのですが、『ぼっち・ざ・らじお!』の初回はそのガラス一面に目張りを張って、完全にブースを陸の孤島にして収録していました。それくらい徹底してやってきたのでひとりで進行するのにもだいぶ慣れてきました(笑)。
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赤裸々トークの“ギリギリ感”が魅力も…今後の目標は「失ってしまった女性声優らしさを取り戻す」
――番組の内容もかなり変わっていますよね。「ラッキーボタン(※サンプラーの中に毎回組み込まれている、押すと何かが起こるボタン)」でフレッシュネスバーガーの代表取締役の方からののボイスメッセージが流れた時は笑いました(笑)。
だいたい共演者やスタッフさんのコメントが流れるのですが、フレッシュネスバーガーの代表取締役の音声が流れた時は「誰!?」となりました。これがスタッフだったら「声を聞いてわからないなんてヤバい!」と思っていたら、「フレッシュネスバーガーの…」と言い出して、「本当に誰!?」っていう(笑)。
――ラッキーボタンでは、実の母と姉の音声も流れましたね。
人はあまりにも驚くと、何も言えなくなるということが立証されましたね(笑)。きっと聴いていた皆さんは「もっとリアクション取れよ」と思ったかもしれないですが、あれが人間のリアルですから! ぜひ第16回を聴いてみてください(笑)。
――サプライズに対する青山さんの反応ももちろん、トークもすごく面白いです。
いや、私のトークはただ赤裸々なだけ。「刺身」なんですよ。みんなは出さないような部位を出しているから美味しいだけであって、みんなも同じような部位を切ったら大トロなんです。「青山さんって面白いよね」と言ってもらえることが多くなりましたが、たまたま私は切りまくって大トロを出しているだけ。そのせいで、私はプライベートがあるようでなくなっているんですけど(笑)。
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――ズバリ、本ラジオの“推しポイント”はどこだと思っていますか?
あまりにも正直すぎるトークですかね……。「好感度を上げたい」と普通に言っちゃうし、その日あった嫌なことも包み隠さず話しちゃうし、物件の内見の電話もしちゃうし、毎回「それやっていいの!?」というギリギリの橋を渡っています。吊り橋効果で恋に落ちるように、そのギリギリ感で私のことを好きになってくれると嬉しいです。
――自分の中で「それ言っていいの!?」というストッパーはあるのですか?
私も何かを失っているとは思っているのですが、やめられなくて気づいたらここまできてしまいました(笑)。
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――今後、ラジオ内でやってみたいことがあれば教えてください。
私物化が激しい番組になっていますが、あくまで作品のラジオなので、もっと作品に寄り添いながら青山吉能の好感度を上げていきたいと思っています。赤裸々なせいで失ってしまった女性声優らしさを、これから取り戻していきたいですね。
――これからどう軌道修正していくのか、楽しみです(笑)。ありがとうございました!
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