2007年に放送された学園恋愛アニメ『School Days』。主人公「伊藤誠」と2人のヒロイン「西園寺世界」「桂言葉」が織りなすトライアングルは、当時のネットユーザーを中心に盛り上がり、今やネットミームと化するほどの地位を確立しました。
クリスマスの時期にクライマックスを迎えるということで、ABEMAではここ数年、毎年クリスマスに一挙配信を実施しており、今年はなんと7回目を数えることに。しかしファンからはそのたびに「正気か!?」と乾いた笑いの混じったツッコミが入っています。それは一体なぜなのでしょうか？
本稿ではその疑問に迫るとともに、今なおファンを沸かせる『School Days』の最新動向を紹介します。
※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意下さいませ。
■原作はフルアニメーションのアドベンチャーゲーム
『School Days』はもともとマルチエンドのPC向けアドベンチャーゲームで、全編をアニメーションさせるという驚きのシステムが発売当時から注目を集めていました。
ゲームがリリースされたのは2005年のこと。美少女ゲームの全盛期とはいえ、ほとんどのメーカーが2Dの立ち絵でゲームを開発している時代です。話題にならないはずがありません。
実は原作ゲームはただの恋愛アドベンチャーゲームではなく成人向けのPCゲームでした。しかも当時は1990年代の終わりにブームになった「泣ける成人ゲーム」に続き、鬱展開にドラマ性を見出した「鬱ゲー」や、病んだ末に狂気的になる「ヤンデレ」型のヒロインに注目が集まっていた頃。全編アニメーションのみならず凄惨な結末が話題になったことでテレビアニメ化につながったのでした。
2007年にテレビ神奈川などで放送された本作は、ゲームとほぼ同じ構図のカットが用いられるなど原作をリスペクトする内容でアニメ化されました。
ストーリーは至ってシンプル。通学電車で見かける少女「桂言葉」に惹かれていた伊藤誠は、「好きな子の写真を携帯電話の待受け設定にして、3週間誰にもバレなかったら願いが叶う」というおまじないを実行。そのことを女友達の「西園寺世界」に知られたことで物語が動き出します。
世界に応援される形で言葉と親交を深め、やがて彼女と恋人同士になる誠。女の子に免疫のない誠は恋愛雑誌などを読み漁りつつ、言葉と少しずつ距離を縮めていきます。そして学生生活の一大行事である学園祭を経て、クリスマスの時期にクライマックスを迎えるのです。
なんともピュアで微笑ましいアニメですね。クリスマスにぴったりです！
■…おっと！書き忘れていましたが…
繰り返しますが、本作はヒロインたちの“一途”な想いが交錯する学園恋愛ストーリーです。そのため劇中では、誠・世界・言葉の恋のトライアングルが描かれます。
しかしそれはやがて誠と世界が肉体関係を持つという泥沼の状況になり、さらにその事実が言葉にバレ、地獄のような状況がめまぐるしく展開した後、血の惨劇という結末をもたらしてしまうのです……。その血の惨劇が起こるのが、なんとクリスマスシーズン！
本作がなぜ「クリスマス向け」なのか、これでお分かりいただけたでしょう。
ちなみにアニメ版の結末はアニメのオリジナル展開となっています。
原作ゲームの複数のヒロインルートをつなげたことから「見境なく手を出す女性の敵」「アニメ・ゲームにおける史上最低の主人公」となり果てた誠。さらに注目の最終回は実際に起きた事件が元になり休止。ストーリー展開もさることながら放送休止というセンセーショナルな出来事が重なり、まさにネタの宝庫として語り継がれているのです。
なお原作ゲームでは、言葉が世界をノコギリ状の鉈で殺害するエンド、言葉が飛び降り自殺するエンド、サブヒロインの清浦刹那や加藤乙女と結ばれるルートなどがあります。
■『School Days』には続編がある!? VTuber活動も
また原作ゲームのほうは続編として、清浦刹那をメインヒロインにしたスピンオフ『Summer Days』、新主人公と新ヒロインを迎えた外伝『Cross Days』、『Summer Days』に新要素を追加した『SHINY DAYS』がリリースされました。
現在は『SHINY DAYS』に統合された『Summer Days』を除く、『School Days(スクールデイズHQ)』『SHINY DAYS』『Cross Days』の3タイトルがダウンロードサイトで購入することができます。(いずれも成人向け)
そのほか『School Days』の最近の動きとしては、桂言葉がVTuberデビューしてYouTubeチャンネル「桂言葉」を運営。西園寺世界役の河原木志穂さんもYouTubeチャンネル「おしほチャンネル」を開設し、言葉と頻繁にコラボをしています。
原作ゲームでもアニメ劇中でも次第に無責任になり、手当たり次第に女性と肉体関係を持っては捨てて別の女性へと走る伊藤誠。その鬼畜ぶりは過去6回の一挙配信でも必ず話題になりました。
そんな彼やヒロインたちがテレビアニメ版で辿った結末は、原作ゲーム版の数あるエンディングと比較しても余裕で上位に入る「スーパー外道」です。
それは一体どんな結末だったのか……？ 気になる方は、ぜひ今年の一挙配信で一緒にドン底……いや確認してはいかがでしょうか。
惨劇ばかりではなく、橋本みゆきさんやいとうかなこさんが担当する毎回異なるエンディングテーマ、そして後夜祭のフォークダンスシーンのBGMとして使用するためだけに桃井はるこさんが作詞・歌唱した挿入歌など、楽曲まわりにも気合が入っている「名作」です。
■『School Days』全話一挙無料放送
2022年12月24日（土）18時50分よりスタート
アニメLIVE2チャンネルにて
（C）STACK・School Days製作委員会 2007
