最多回答は、『真・女神転生』で描かれた“あの”場面!
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最も多くの回答が集まったトラウマシーンがあるのは、『真・女神転生』の序盤。30年近い前の作品ながら、今もまだ多くの方が忘れられず、その記憶に留めている模様です。
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本作はまず、主人公が見ている夢の中から始まります。ここで、今後様々な形で関わるロウヒーローやカオスヒーロー、そして「ゆりこ」との出会いを果たしますが、今回多くの意見を集めたトラウマシーンとは関係がないので、彼らの詳細は省きます。
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謎めいた夢から現実に引き戻したのは、主人公の母親の声。「いつまでねてるの? やすみだからって ねぼうはダメよ」との口うるさい一言がタマに傷ですが、「ゆうべはよくねむっていたみたいね」のような言動もあり、子供をよく見ているしっかりとした母親像が浮かんできます。
外出のついでにコーヒーの買い出しを頼まれるあたりも、母親らしさが溢れる接し方です。お小遣いもくれますし、出かける際には「きをつけてね」と案じる心配性な一面も。
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ちなみに主人公の家には、犬の「パスカル」も。凛々しい顔立ちからは、頼もしさが溢れています。
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母親に頼まれたコーヒーの買い出しを済ませるなど、どこにでもありそうな日常を過ごす主人公。ですが、その平凡な日々の終わりは、もう目前へと迫っていました。
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街中に、突然「餓鬼」が登場。あまりに急な出来事に、主人公は驚くことしかできません。ですが、手傷こそ負ったものの餓鬼が逃走したため、事なきを得ました。
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あまりにも常軌を逸した遭遇に、おそらく混乱をきたした主人公が帰宅すると、母親からは彼を案じる言葉が飛び出します。また同時に、「でも、おとこのこは げんきなほうが いいか」と、その成長を見守るような一言も。
我が子を大切に想う振る舞いを見せる一方で、過保護すぎない自制も見え、その思慮深さに頭が下がります。
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その夜も主人公は、不可思議な夢の続きに巻き込まれます。昼間の餓鬼の一件、そしてこの夢がきっかけになったかの如く、異様な気配が日常を侵食し始めていきました。
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ただ街中を歩いているだけで、悪魔と遭遇。先日の餓鬼は一方的に攻撃され、そしていずこへと去りましたが、ここからは通常の戦闘シーンが展開。油断すれば、当然やられてしまいます。
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少し歩けば、どの道にも警官が立ちはだかっており、通行禁止と突っぱねるばかり。悪魔の出現と相まって、異様な状況へと変わりつつある現実を、じわじわと感じさせられます。
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そんな折り、とある老人と出会い、起きているはずなのに夢の世界へ。ですが、現実世界で仲魔にしたピクシーもパーティにいますし、先に進むことを止める母親の姿を目にすることも。「あなたがいなくなったら わたしは どうすればいいの……」の言葉から、深い愛情が滲みます。
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強大な敵に敵わず夢から目覚めたものの、家へと帰る前に警官から呼び止められ、拘束される事態に。平凡でたいくつかもしれなかった日々が、気がつくとはるか彼方に遠ざかってしまいます。
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拘束された病院の中では、夢で共に行動した青年や、悪魔を召喚するプログラムを主人公に送った男性など、重要な人物との出会いが。
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しかし、この病院内も悪魔が巣くっており、戦わねば生き残ることすら叶いません。愛しい日常へと戻るため、堕天使の「オリアス」との対決に臨みます。
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なんとか病院から脱し、新たな出会いも果たしますが、主人公はそこからまず自宅へと戻ります。不気味な変化の兆しを見せる世界の中で、母親とパスカルが待つ家は、彼に残された最後の“日常”です。
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家に戻るとパスカルが、そして母親が出迎えてくれました。変わりゆく世界で、変わらないことがどれほど貴重か、思い知らされます……。
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……いえ、残念ながら、この世界に変わらないものはありません。
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なんと目の前の母親は、邪鬼「アマノサクガミ」によるなりすまし。そして本当の母親は……「おまえの ははおやは いただいた」の台詞だけで、何が起きたのか想像に難くありません。どのような惨劇が起こり、そして過ぎ去ってしまったのか。残酷な現実が、主人公とプレイヤーを襲います。
オリジナル版の『真・女神転生』はスーパーファミコンソフトなので、直接的な描写能力には限界があります。ゲーム画面では、ドット絵で描かれた母親が立っているだけ。ですが、邪鬼の容赦ない台詞に多くのプレイヤーが想像力を刺激され、デジタルな画面では直接描かれていないシーンが脳裏にありありと浮かびます。
夢からたびたび引き戻し、現実世界だけでなく夢でまで主人公の身を案じてくれた母親。「あなたがいなくなったら わたしは どうすればいいの……」とこぼしていた彼女自身が、主人公の元を去っていきました。しかも、その瞬間を誰にも気づかれることなく、ひっそりと。
果たして母親は、最後の一瞬にどんな感情が沸き上がったのでしょうか。死への恐怖か、子供に二度と会えなくなる悲しみか。それとも、襲われたのがあの子じゃなくて良かったという愛情でしょうか。今となっては答える者はおらず、その事実が言い様のない感情を喚起させます。
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まだ本格的にゲームが始まる前の最序盤ながら、シリーズ全般を通して有数の衝撃度を与えるシーンになった「アマノサクガミ」の所業とその顛末。今回、この場面を挙げる方が最も多く、堂々の第1位となりました。30年近い年月を経てもなお、忘れられないトラウマとして記憶に残っているようです。
【読者の声】(一部抜粋)
・第1作目で悪魔が主人公の母親になりすましていたこと。
・真・女神転生1で、主人公の母親がかなりの序盤で殺されるところ。
・主人公の母親がアマノサクガミに食べられてしまうシーン。
今も記憶に残る『真・女神転生』は、ニンテンドースイッチの有料オンラインサービス「Nintendo Switch Online」に加入すれば、いつでも遊べます。今回の記事をきっかけに気になった方は、プレイを検討してみてはいかがですか。
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そして、シリーズ最新作『真・女神転生V』が、本日11月11日に待望の発売日を迎えました。ナンバリング展開としては、前作の『真・女神転生IV FINAL』から数えて5年ぶり。きっとこちらの作品でも、忘れられない衝撃的な展開がたっぷり詰め込まれているに違いありません。
原点から最新作まで、『真・女神転生』シリーズはあなたに忘れ得ぬ記憶を提供してくれることでしょう。