「吸血鬼すぐ死ぬ」「ヴィジュアルプリズン」…アニメに登場する吸血鬼の“多様化”――高貴なイメージから身近な存在も? | アニメ!アニメ!

「吸血鬼すぐ死ぬ」「ヴィジュアルプリズン」…アニメに登場する吸血鬼の“多様化”――高貴なイメージから身近な存在も?

10月期アニメ『吸血鬼すぐ死ぬ』『月とライカと吸血姫』『ヴィジュアルプリズン』に共通するものが何かわかりますか? タイトルを見てピンと来た人も多いはず。そう、“吸血鬼”が登場するということです。

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『吸血鬼すぐ死ぬ』ビジュアル(C)盆ノ木至(秋田書店)/製作委員会すぐ死ぬ
  • 『吸血鬼すぐ死ぬ』ビジュアル(C)盆ノ木至(秋田書店)/製作委員会すぐ死ぬ
  • 『ヴィジュアルプリズン』メインビジュアル(C)Noriyasu Agematsu,Afredes/Project VP
  • (C)牧野圭祐・小学館/「月とライカと吸血姫」製作委員会
  • 『ぶらどらぶ』キービジュアル(C)2020 押井守/いちごアニメーション
  • 「終わりのセラフ」(C)鏡貴也・山本ヤマト降矢大輔/集英社・終わりのセラフ製作委員会

10月期アニメ『吸血鬼すぐ死ぬ』『月とライカと吸血姫』『ヴィジュアルプリズン』に共通するものが何かわかりますか? タイトルを見てピンと来た人も多いはず。そう、“吸血鬼”が登場するということです。

今期だけでなく、吸血鬼をモチーフとしたアニメはこれまでにたくさん放送されてきました。筆者がパッと思い浮かぶもので『BLOOD+』『HELLSING』『終わりのセラフ』……などなど。ただ単に“吸血鬼”だけで括ってしまうと数が多すぎるのですが、描かれ方を見てみると、忌み嫌われる存在、高貴な存在、日常に溶け込んでいる存在など、様々なパターンが。昔に比べて、暗くて耽美的なイメージから大きく変わってきているような気がします。

■いままでの吸血鬼のイメージ

皆さんは「吸血鬼について説明して」と言われたら、どう答えるでしょうか。私だったら、人を襲って血を吸う化物……と言うでしょう。吸血鬼(ヴァンパイア)はもともと東欧(ルーマニアなど)の伝説をベースにした神話・民話に登場する存在で、人間の生き血を啜る化物として描かれていました(※諸説あり)。冒頭で筆者がパッと思いつく作品として挙げたアニメに登場する吸血鬼も、人に害を与える存在として描かれています。

また、人よりも優れた存在として描かれる作品も多いです。例えば『ヴァンパイア騎士』。舞台となる私立「黒主学園」は、一般生徒が通う普通科(デイ・クラス)と、エリート揃いの吸血鬼が通う夜間部(ナイト・クラス)に分かれている設定となっていました。夜間部の生徒は皆美目も麗しく、登校の際には校門にファンが詰めかけるほど。
同様に、美少年・美少女として描かれる作品が多く、今期の『ヴィジュアルプリズン』も該当。メインキャラクターはほぼ吸血鬼で、高い知性と美貌、そして歌声を持っています。

■新たに登場した吸血鬼像

「恐れ」「憧れ」の対象として描かれてきた吸血鬼ですが、最近になってそのイメージに沿わない設定でアニメに登場することが増えてきました。例えば、今期の『吸血鬼すぐ死ぬ』です。主人公のドラルクは、ちょっとしたダメージ(※物理的にも精神的にも)を受けるだけですぐ死んでしまう吸血鬼。不死身なのですぐ復活するのですが、引きこもりだったり、子どもにからかわれたり、音痴だったり、上記で述べた“高貴な吸血鬼”とはかけ離れたキャラクター設定となっています。

他にも、今年3月まで放送されていた『ぶらどらぶ』の吸血鬼、マイ・ヴラド・トランシルヴァニアは気が弱く、人を噛んで血を吸うことができないが、キレると凶暴化するというキャラクター。さらに『となりの吸血鬼さん』『ブラッドラッド』の主人公に関しては、ヲタク吸血鬼。なんだか親近感を感じてしまいますよね。

■魅力が尽きない!次に登場するのはどんな吸血鬼?

もともとのイメージにあるダークで耽美な吸血鬼も良いですが、人間に近しく描かれている吸血鬼も魅力的。いろいろな魅力が詰まっているからこそ題材となるアニメ作品が多く作られ、アニメファンにも受け入れられ、愛され続けている存在なのだと思います。

きっと、これからも様々な吸血鬼像が描かれるアニメが制作されていくでしょう。どんな面白(?)吸血鬼が登場するのか、あなたも想像しながら、次なる“進化系吸血鬼”の爆誕を楽しみにしていましょう!

《米田果織》
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