■愛本りんくのキャラクター像
――さて、話題はTVアニメに戻りますが、第1話の序盤から、西尾さん演じる愛本りんくが物語を引っ張る展開になりますね。
西尾:りんくはアフリカにある島からの帰国子女で、ちょっと変わったところのある人物です。突っ込みどころが満載だったりします(笑)。
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水島:普通の作品ならりんくって、中心にいるような主人公タイプではなく、横で話を引っ掻き回すタイプ。今回はそれを真ん中に持ってきた感じです。
そういう子が中心にいるから、どんなことでも周囲を楽しく巻き込んでいく展開になります。
だからアフレコでも西尾さんには「とにかくハジけて!」と言っています。「まだ暗い、まだ暗い、もっと元気に!」って(笑)。
西尾:りんくは自分が思っていた以上に元気で、とにかくパワーが必要な子なんですよね。私はライブのときは自然と「やるぞー!」ってなるタイプなんですけど、日常はそんなにハジケるタイプではないので……。
水島:反省をすごくしますよね。反省しなくていいとは言わないけど、基本のテンションはもっと上げておいて、とよく言っています(笑)。
中山:そこもりんくっぽかったら楽だったろうに……。
水島:とはいえ会って話してみると、やっぱりりんくっぽいところはありますよ。
そこを引っ張り出すために、早いうちに役者と話をしていたわけです。だけど西尾さんは想像以上に反省するタイプでした(笑)。
西尾:最初のアフレコのあと、めちゃくちゃ長い反省文を監督に送っていましたからね(笑)。
9時間ぐらい収録して、喉は元気でも精神エネルギーがなくなっていって、「じゃあ今日はここまで」ってなっちゃって。
水島:誰だって最初はそんな簡単にできるわけじゃないし、それがフィルムとともに成長していくということだからね。
最後には全員合格点を出せるようになっていて、僕も中山さんも「うまくなってますね」と言っていたんだけど……。
西尾:「録り直したいです!」ってリクエストしちゃいました(笑)。
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水島:言ってた!(笑)。責任を取るのは役者ではなく、そのときOKを出したディレクターだから、僕らがOKを出したということは、自信を持って出せるフィルムになっているということなんだけどね。
中山:個人的には、1話のクライマックスでりんくが輝くシーンがあって、そこは注目してほしいです。
アニメではDJを説明するためのハウトゥー要素も盛り込まれているんですが、一方でりんくは直感的にDJの魅力を理解していくんですよね。とある曲を聴いて「これってあの曲とつながるよね!」と直感的に言うところがカッコよかった。
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水島:演出的にうまくいくか心配していたんですが、そこを良いと思ってもらえたのはうれしいです。
個人的にもりんくのようなヒロインをずっと描きたいと思っていたんです。やりたいことに素直に向き合えて、周囲も巻き込める、誰が見ても楽しいキャラクター。そこは今回実現できているかなと思います。
中山:りんくを演じる西尾さんの演技も光るところですね。
――また本作は『バンドリ!』と同様に、サンジゲンによる3DCGアニメーション作品となっています。水島さんとしてはサンジゲンとのタッグの感触はいかがですか?
水島:コンテンツ側としてはなるべく多くのキャラクターとユニットを登場させたいところでしょうが、3Dを作る側としてはコストとクオリティーの兼ね合いがある。
だからこそ双方のコミュニケーションが大事なのですが、サンジゲンはもともと『バンドリ!』のアニメも制作しているから、そうしたコンテンツ側との意思疎通はしやすかったはずです。
――なるほど。
水島:あとさっき言ったコストというのは、お金の面だけではなくて一体のモデルを作るのにどれだけ時間をかけられるかということでもあって、そこの精度を高めないとアニメーションを豊かに作れない。
そこに外から監督が入ってくるわけだから、なおのこと半端は許されないわけです。
そういう意味ではお互い覚悟は決まっているわけで、自分たちのポテンシャルを最大限出せるように頑張っていくんです。
いかにキャラクターを豊かに描くかというなかで、できることとできないことは脚本会議の段階で詰めています。
――脚本会議の段階から3DCG制作を想定しなければならないのですね。
水島:3DCGのアニメを作ろうと思ったら、脚本段階から詰める必要があります。それができないと破綻するし、「じゃあ作画でやりましょう」ってなっちゃいますからね。
それでも想定外のものは出てきてしまうし、今回は特に新型コロナウィルス感染症の影響もあり大変でしたが、工夫しながらつくっています。
■コロナ禍におけるアフレコの様子は?
――また『D4DJ』となるとライブシーンも重要となってきます。
水島:先行作品として『バンドリ!』があったため、そこで培ったライブシーンのノウハウやフローが活かせました。
シナリオ段階でどのようなパフォーマンスをするか決め込んで、絵コンテから3Dスタッフにムービーコンテにしてもらっています。
サンジゲンの重鎮ともいえるアニメーションディレクターの鈴木大介さんに副監督をお願いしたんですが、ライブシーンは彼が統括して見てくれています。僕としてはドラマに専念できるのもいいことで。
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――すでにアフレコ収録もスタートしていますが、現場の雰囲気はいかがですか?
西尾:コロナ対策で一緒に収録しているのはハピアラメンバーとだけなのですが、みんなかなり真剣に収録してます。でもピリピリはしていないかな?
水島:和気あいあいとしていますよ。僕はけっこうな数のリテイクを出すのですが、そこでビシッとしてくれるのはいいなと。
――コロナ禍の収録ということで影響はいかがでしたか?
水島:ブースに一度に入れる人数が限られるので、全体で作るという空気がなかなか作りづらい。だからひとつひとつを丁寧に録っていくしかないんですよね。
本来ならAロールBロールに分けて録るんだけど、今回はそれを4つか5つに分けて細かく録っていくようにしています。収録時間は増えてしまいますが、そうしてクオリティーを高めています。
――そうした状況も踏まえながら、まさに新感覚のコンテンツとなっていきそうですね。
水島:そうですね。アニメ監督としてだけではなく、音楽プロデューサーとしても深くコンテンツに対する理解しなければならない。今までになかったことなので楽しいです。
中山:水島監督はすごくハイブリッドな立場ですよね。監督兼選手という、プロ野球でいうと野村克也的な立ち位置。「水島さんじゃないとできない」というのはこの一年ですごく思いました。
水島:DJ界隈とか今までいろんな人と仲良くなってよかったなと(笑)。それこそ秋葉原にあるクラブの「MOGRA」の店長・D-YAMAたちにも協力してもらっているんですが、彼らといろいろやってきたことは今回に活きていますね。
■西尾さん&水島監督がリスペクトするDJは?
――ちなみに西尾さんも水島さんもアニソンを中心としたDJをやられていますが、おふたりが見てすごいと思ったDJはどなたですか?
水島:直に観て「すごいな」と思ったのは、同じ事務所のDJ WILDPARTY。シームレスに曲を繋ぐということと、アニソンだけではなくさまざまなポップスを挟むこともできる。「いろんな曲をレコメンドするんだ」というパワーもすごい。
「これは誰のリミックスなんだろう?」という楽しみ方は、ワイパやD-YAMAと仲良くなったことで知れました。
あとアニソンDJというとyouthaquaさんという化け物がいて、この人もスゴいです。
ほかにも海外ではラスマス・フェイバーやポーター・ロビンソンなどの大物も聴きますけど、やっぱり日本のクラブで実際に目にして「このプレイすごい!」という感動には代えがたいですね。
そうした感動は、アニメにもダイレクトに入っているような気がします。
西尾:水島監督と被っちゃいますが、私もyouthaquaさんですね。
私がDJを始めたときに、知り合いに「誰のプレイが勉強になる?」と聞いて教えてもらったのがyouthaquaさんでした。
DJを観に行ったら「えっ、いつ曲が変わったの?」というほどで初心者の私にもこの人はスゴいとわかりました。私もああいうプレイができるようになりたいと思った人ですね。
そこからほかにも素敵なDJのプレイを観て学んで、今もまだ勉強中という感じです。
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――ありがとうございます。では最後に、読者のみなさんに『D4DJ First Mix』の注目ポイントを教えてください。
西尾:DJを知っている人はもちろん、知らない人でも魅力が伝わるようなアニメになっています。『D4DJ』からさらにDJにハマってくれるとうれしいです。
歌やDJなど私がこれまでやってきた要素がすべてリンクしている作品ですし、それだけに気合いを入れて頑張っていきます。これからもよろしくお願いします!
水島:自分としては新しい取り組み、新しいスタイルの作品で手応えも感じています。音楽プロデューサーとして、上松(範康。Peaky P-keyプロデューサー)さんなど錚々たる方々とご一緒できることも嬉しい。
今までやらなかったことに真正面からチャレンジしているので、ぜひアニメも楽しみにしていてください。
中山:『D4DJ』のアニメにはいろんな名曲が登場しますが、その楽曲を探ればその場面で流れた意味が必ず見えてきます。その意味を探る、いわゆるディグる楽しさがあります。
「TVアニメでこんなに楽曲が入っている作品あった?」と思うほどの曲数が流れますし、さらにそれぞれユニットの色もあって「これが同じ作品なの?」というぐらい多彩さを感じられるはずです。
まだまだ作っている最中ですが、思い描いていたものは自分たちの想像を超えたものになっています。そういったところもぜひ楽しんでください。
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9月23日(水)「D4DJプロジェクト戦略発表会」にて
D4DJの新情報を多数発表!
アニメ「D4DJ First Mix」10月30日(金)より放送開始!
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アニメ「D4DJ First Mix」が10月30日(金)より第1話を放送します。
TOKYO MX・BS日テレにて毎週金曜23:00~ほか、全国30局以上での放送が決定しております。また、字幕15か国語、吹き替え3か国と、日本にとどまらず全世界に向けて配信します。
「D4DJ Groovy Mix」
10月18日から10月24日までオープンβを実施!
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「D4DJ Groovy Mix」は、10月18日から10月24日までオープンβを実施いたします。
10月18日には50曲公開予定で、オープンβ期間中に毎日楽曲を追加していく予定です。オープンβ版では課金以外のすべての機能が遊べる予定です。
また、オープンβスペシャルログインボーナスとして、カバー楽曲と交換できるアイテムを毎日プレゼントします。オープンβのプレイデータは本番へ引き継がれますので、オープンβ中にスタートダッシュの準備が可能です。
6ユニット6局でユニット毎ラジオ番組の放送が決定
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10月1日(木)より、6ユニット6局でユニット毎ラジオ番組の放送が決定しました。
D4DJ presents Happy Around!のぐるぐるRADIO TIME!!
放送局:TOKYO FM
放送日時:2020年10月3日(土)より毎週土曜26:00~26:30
番組MC:Happy Around!(愛本りんく役 西尾夕香/明石真秀役 各務華梨/大鳴門むに役 三村遙佳/渡月麗役 志崎樺音)
D4DJ presents Peaky P-keyの最頂点Mix
放送局:TBSラジオ
放送日時:2020年10月1日(木)より毎週木曜21:30~22:00
番組MC:Peaky P-key(山手響子役 愛美/犬寄しのぶ役 高木美佑/笹子・ジェニファー・由香役 小泉萌香/清水絵空役 倉知玲鳳)
D4DJ pressents Photon Maidenの Universe
放送局:bayfm
放送日時:2020年10月3日(土)より毎週土曜23:00~23:27
番組MC:Photon Maiden(出雲咲姫役 紡木吏佐/新島衣舞紀役 前島亜美/花巻乙和役 岩田陽葵/福島ノア役 佐藤日向)
D4DJ presents Merm4idのRADIO BIG W4VE!!!!
放送局:NACK5
放送日時:2020年10月3日(土)より毎週土曜21:00~21:30
番組MC:Merm4id(瀬戸リカ役 平嶋夏海/水島茉莉花役 岡田夢以/日高さおり役 葉月ひまり/松山ダリア役 根岸愛)
D4DJ presents 燐舞曲の「今宵、海を見つめて」
放送局:Fm yokohama
放送日時:2020年10月3日(土)より毎週土曜22:00~22:30
番組MC:燐舞曲(青柳椿役 加藤里保菜/月見山渚役 大塚紗英/矢野緋彩役 もものはるな/三宅葵依役 つんこ)
D4DJ presents Lyrical Lilyのリリリのリ♪
放送局:ニッポン放送
放送日時:2020年10月5日(月) より毎週月曜20:30~21:00
番組MC:Lyrical Lily(桜田美夢役 反田葉月/春日春奈役 進藤あまね/白鳥胡桃役 深川瑠華/竹下みいこ役 渡瀬結月)
D4DJプロジェクト新キャスト発表!
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D4DJプロジェクトの新キャストを発表致しました。
6ユニットが目指す夢のステージ【D4 FES.】に縁のあるバックアップメンバーとして、天野愛莉(あまの あいり)役 水樹奈々さん、小舟柳人(こふね りゅうじん)役 古谷 徹さんをはじめとした豪華なキャストが登場します。
<男性キャスト>
小舟柳人(こふね りゅうじん)役:古谷 徹さん
犬寄傳之丞(いぬよせ でんのじょう)役:竹中直人さん
三橋 空(みつはし くう)役:DAIGOさん
海原ハルキ(かいばら はるき)役:吉田尚記さん
<女性キャスト>
天野愛莉(あまの あいり)役:水樹奈々さん
姫神紗乃(ひめがみ しゃの)役:レイチェルさん
嘉瀬茉奈(かせ まな)役:小宮有紗さん
高尾灯佳(たかお とうか)役:梅村妃奈子さん
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