日本語吹き替え版では、主人公・ドリトル先生をがんのため4月12日に惜しくも亡くなられた藤原啓治さんが担当。そのほか小野大輔さんや花澤香菜さんなど、豪華な声優陣が集結しました。
しかも本作のメインキャラクターはほとんどが動物！ 中村悠一さん演じるシロクマは冷え性など、動物の一般的なイメージとは少し異なる部分も楽しめます。
さらに池田秀一さんがトラ役として甘えた声でじゃれるなど、これまでの出演作とは一味違った声色が聞けるのもポイントです。
洋画好きだけでなく、声優ファンにとっても大注目の『ドクター・ドリトル』。キャラクターのギャップや、吹き替え版キャストの魅力をご紹介します！
- 1.世界的名作『ドクター・ドリトル』が新たな姿でよみがえる！
- 2. ロバート・ダウニーJr.のユーモラスな演技に注目！
- 3. 日本語吹き替え版キャストが豪華すぎる！
- ・藤原啓治：ドリトル先生役
- ・ドリトル先生を支える動物たち
- ・旅先で出会う動物たち
世界的名作『ドクター・ドリトル』が新たな姿でよみがえる！
『ドクター・ドリトル』は、動物たちの言葉を話すことのできる獣医・ドリトル先生とその仲間たちの冒険を描いた作品です。
妻を亡くした悲しみで人間との接触を断ち、自宅に引きこもっていたドリトル先生。しかしとある理由から、どんな病でも治すことのできる“エデンの樹”の果実を求めて旅をすることになります。
原案はヒュー・ロフティングの児童文学。1巻の刊行は1920年だったため、今年でなんと100周年を迎えました！
これまで何度もアニメや実写映画が製作され、原案とともに世界中で愛されてきた作品です。
2020年版『ドクター・ドリトル』では最新のCG技術を駆使して、動物たちを生き生きと再現！ 手を伸ばしたら温度が伝わってきそうなほど、精密に作りこまれています。
冒険を支える個性豊かな動物たちは、悩みを解決するためにドリトル先生のもとを訪ねた者ばかり。冷え性のシロクマや臆病なゴリラなど、動物に対する典型的なイメージと性格のギャップも魅力的です。
ロバート・ダウニーJr.のユーモラスな演技に注目！
ドリトル先生を演じるのは『アイアンマン』などで知られるロバート・ダウニーJr.。本作には製作総指揮としても携わっています。
スティーヴン・ギャガン監督は、ロバート・ダウニーJr.が演じることを前提にドリトル先生のキャラクターを作り上げたと語っています。ユーモラスな表情から迫力満点のアクションまで、ロバート・ダウニーJr.の名演技が堪能できる作品となっています。
■日本語吹き替え版キャストが豪華すぎる！
字幕はもちろん、吹き替えでも楽しめる本作。藤原啓治さんや小野大輔さんなど、アニメファンにはなじみ深い声優陣が多数出演しています。
藤原啓治：動物の言葉が話せる名医・ドリトル先生役
動物と話せる名医・ドリトル先生を演じるのは藤原啓治さん。
『アイアンマン』シリーズ、『シャーロックホームズ』シリーズなどでもロバート・ダウニーJr.の吹き替えを担当しています。
ヒーローや探偵など、かっこいい役柄のロバート・ダウニーJr.の声を演じてきた藤原さん。本作ではこれまでのハキハキとした口調とは一味違う、弱気で見栄っ張りな演技も見せています。
たとえば『シャーロックホームズ』のように部屋に引きこもるシーンがありますが、ドリトル先生の場合は侵入者に対するおびえ方が桁違い。子どもが家を訪ねてきただけで必死に身を隠し、正体がばれると必死に追い返そうとします。
それほどまでに人付き合いが苦手なドリトル先生ですが、動物のこととなると真剣そのもの。患者の声に耳を傾け、的確に治療を施します。信頼のおける動物たちとのユーモラスな会話にも注目！
【ドリトル先生を支える動物たち】
ドリトル先生の仲間は動物。本物の家族のように、支え合って生きています。
小野大輔：気弱なゴリラのチーチー
『おそ松さん』松野十四松役などで知られる小野大輔さんが演じるのは、臆病者のゴリラ・チーチー。屈強な外見と性格のギャップに、小野さんは「森の賢者と呼ばれるゴリラの優しさと賢さを表現できるように、声をあてさせてもらいました」と役作りについて語っています。
人間の少年を見て悲鳴を上げてしまうほどの怖がりですが、冒険の中で成長を遂げていくチーチー。穏やかさと優しさがにじみ出た小野さんの演技にもご注目ください。
朴ロ美：世話焼きアヒルのダブダブ
『進撃の巨人』ハンジ・ゾエ役などで知られる朴ロ美（※）さんが演じるのは、世話焼きアヒルのダブダブ。朴さんといえば『鋼の錬金術師』エドワード・エルリックのような少年役のイメージが強いですが、今回は母親のようにドリトル先生をサポートします。
「ダブダブのお茶目さにノックアウトされながら演じさせて頂きました」と朴さん自身が語るほどユーモラスなキャラクター。しゃべり始めるとなかなか止まらないので、遠くからも聞こえてくる朴さんの声にも耳をすましてみてください。
※「ロ」は玉偏に路で表記。
中村悠一：冷え性のシロクマ・ヨシ
『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』ブローノ・ブチャラティ役などで知られる中村悠一さんは、冷え性のシロクマ・ヨシを演じています。収録前に中村さんは「他のメンバーも個性的な方達ですし、映画自体もとてもファンタジックですので苦労し甲斐がありそう」と語っており、役作りに思案したそうです。
男らしい兄貴キャラのイメージがある中村さんですが、今回はおっとりとした声に。水中で活躍するときは中村さんらしい頼りがいのある声になるので、演技のギャップにもご注目ください！
斉藤壮馬：診察上手な犬・ジップ
『アイドリッシュセブン』九条天役などで知られる斉藤壮馬さんが演じているのは、犬のジップ。「ジップは落ち着いて忠誠心が高い部分と、かわいい部分があって、収録していてとても楽しかった」と、斎藤さんは収録を振り返っていました。
すぐれた嗅覚を活かして患者の容態を的確に分析するシーンは、インテリジェンスな斉藤さんの声と相性抜群！「こんなに声のいい犬と暮らしたい……」と思うこと間違いなしです。
黒田崇矢：ハードボイルドなリス・ケヴィン
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』天谷奴零役などで知られる黒田崇矢さんが演じるのは、ハードボイルドなリスのケヴィン。「ケヴィンは、ちょっと生意気で臆病なリス」と黒田さんが語っているように、セリフと行動のギャップに注目すると愛らしく思えてくるキャラクターです。
かわいい見た目に黒田さんの低音ボイスが加わると、唯一無二の存在感に。ある意味本作のマスコットキャラクターといえるかもしれません。
沢城みゆき：道案内はお手の物！ キツネのチュチュ
『ソードアート・オンライン』シノン役や『ルパン三世』峰不二子役などで知られる沢城みゆきさんは、頭の切れるナビゲーター・キツネのチュチュ役で参加。
「スリルを愛する性格のようです」と沢城さんが分析しているように、首がゆらゆら動くキリンに乗って移動することを好んでいるチュチュ。喧噪の中でも凛と通る声がかっこよく、「革命万歳！」という口癖は何度も聞きたくなるはずです。
花澤香菜：おてんばキリンのベッツィ
『物語シリーズ』千石撫子役や『PSYCHO-PASS サイコパス』常守朱役などで知られるなどで知られる花澤香菜さんが演じるのは、おしゃべり好きのキリン・ベッツィです。
明るく弾むような声は、まるでおてんば娘のよう。「昔やんちゃだった感じでとディレクションいただきました」と花澤さんは収録を振り返りました。
市街地を走り抜けるシーンでは、チュチュとの息の合った会話にも注目！
茅野愛衣：小さいけれど一人前！ フクロモモンガのミニー
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』本間芽衣子役などで知られる茅野愛衣さんはフクロモモンガのミニー役。
身体は小さいですが、ここぞというシーンで大活躍します。「私自身も小さくなった気持ちで演じさせて頂きました」と茅野さんは語っており、ずっと聞いていたくなるハイトーンボイスが堪能できます。あまりにも愛らしかったので、筆者はミニーを家に連れて帰りたくなりました。
【旅先で出会う動物たち】
“エデンの樹”の果実を探す旅の中でも、ドリトル先生たちはさまざまな動物たちに出会います。頼れる仲間や手ごわい強敵を演じるのも、超豪華声優陣！
杉田智和：皮肉屋で気まぐれ？ トンボのジェームズ
『銀魂』坂田銀時役などで知られる杉田智和さんは、トンボのジェームズ役。気まぐれな性格ですが、共感できる部分もあり憎めない存在です。
「キャスティングの時点で完成と思われないように、真摯に役と向き合います」と語っていた杉田さん。その甲斐あって、初登場シーンではいい意味で杉田さんだと気づかないような“ジェームズの声”が聞こえてきました。
皮肉めいた口調のセリフにもご注目ください。
井上和彦：漢気あふれるアリのドン・カーペンテリノ
『夏目友人帳』ニャンコ先生役などで知られる井上和彦さんは、アリのドン・カーペンテリノを演じています。「小さな蟻なのにめちゃめちゃ貫禄があります。そのギャップがたまらない」と井上さんもキャラクターを気に入っている様子。
一般的なアリのイメージをくつがえす、漢らしい声がたまりません！こんなアリなら上司にしたい。
池田秀一：復讐に燃えるトラのバリー
『名探偵コナン』赤井秀一役などで知られる池田秀一さんが演じるのは、トラのバリー。「動物のキャラクターは滅多に演ずる機会が無いのでなかなか大変でしたが、楽しく演らせていただきました」と池田さん自身も語っているように、かなり貴重な役柄です。
ドリトル先生に復讐心を燃やしているときの渋い声だけでなく、ネコ科らしい甘えた声も必聴！まだ聞いたことのない池田さんボイスに出会えます。
諏訪部順一：実況上手なウサギ
『テニスの王子様』跡部景吾役や『ユーリ!!! on ICE』ヴィクトル・ニキフォロフ役などで知られる諏訪部順一さんが演じるのは、賭け事好きのウサギです。
「吹替を担当させていただいたウサギの登場シーンは、まさに脱兎のごとく過ぎ去ります。ご覧下さった皆様の記憶に少しでも足跡を残せたのなら幸いです」と諏訪部さんが語るほど、登場シーンはスピーディー。それでも軽快なトークで勝負の様子を実況するなど、セリフも登場シーンもかなりインパクトがあります。ハキハキとした口調に交じる、やさぐれた声にも注目！
【ドリトル先生にかかわる人間たち】
人付き合いが苦手なドリトル先生ですが、人間たちと無関係というわけにはいきません。
ドリトル先生に因縁のあるラソーリやブレア・マッドフライなど、何人もの人物が冒険にかかわってきます。
大塚明夫：ドリトル先生の宿敵・大海賊ラソーリ
『Fate/Zero』ライダー役や『攻殻機動隊』バトー役などで知られる大塚明夫さんは、ライオンとともに暮らす大海賊・ラソーリを演じています。大塚さんが敵役で登場すると「これはもう勝てない」と感じる人も多いでしょう。今回も海賊らしい豪快さや冷酷さがにじみ出ており、鳥肌ものの演技が堪能できます。
大塚さんはこれまで映像化されたドリトル先生作品と比較して、「あの頃よりもCG技術が発達して、動物たちが本当に喋っているような臨場感が増しているし、子供たちもきっと楽しめると思います」とコメント。作品公開を待ち遠しく感じていました。
大塚芳忠：ドリトル先生をねたむ医者・ブレア・マッドフライ
『鬼滅の刃』鱗滝左近次役などで知られる大塚芳忠さんが演じるのはブレア・マッドフライ。
大塚さんは「ドリトルにライバル心剥き出しであらゆる手段を使って上り詰めたいと野心を燃やしている男ですが、分かりやすすぎてこちらにはお見通し。という感じ。（笑）とってもチャーミングですね」と語っており、どこか憎めないキャラクターに仕上がっています。ドリトル先生と口論になるシーンでは、ブレアのいい意味での小物感にご注目ください！
森功至：王室の策略家・バッジリー卿
『機動戦士ガンダム』ガルマ・ザビ役などで知られる森功至さんは、イギリス王室の重要人物のひとりバッジリー卿役で参加。含みを持たせた声色から、一筋縄ではいかないバッジリー卿の内面が伝わってきます。
なんと森さんは1972年版のアニメ『ドリトル先生航海記』で、ドリトル先生の助手・スタビンズ少年を演じていました。
「当時の記憶は殆ど薄れてしまいました」と語る森さん。それでも「懐かしさを噛みしめながら楽しくやらせていただきました」とアフレコを振り返りました。
沢城千春：さわやかイメージから一転？ 囚人ジェフ
『A3!』摂津万里役などで知られる沢城千春さんはジェフ役で参加。
さわやかな声が持ち味の沢城さんですが、今回は囚人を演じています。これまでのイメージとはまた違った演技、お聞き逃しのなきよう！
本作には沢城みゆきさんも出演しているため、姉弟の共演もファンには嬉しいポイントです。
【実は兼ね役も？ 最初から最後まで耳が離せない！】
ほかにも増田俊樹さんがネズミを演じていたり武内駿輔さんがクジラを演じたりと豪華なキャストが登場する『ドクター・ドリトル』。中には兼ね役を演じている人もいるそうです。
ぜひ映画館では、細かな部分まで耳を傾けてみてください。そこかしこから素敵な声が聞こえてくるはずですよ！
映画『ドクター・ドリトル』公式サイト
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