「コンビニ×アニメ」といえばローソン! 黎明期からの歩み、最新のコラボ事情を聞く【インタビュー】 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「コンビニ×アニメ」といえばローソン! 黎明期からの歩み、最新のコラボ事情を聞く【インタビュー】

今ではどこのコンビニでも行われている、アニメ作品とコンビニとのコラボレーションキャンペーンだが、その先駆者であり手法を確立させたのがローソンだ。ローソンのアニメコラボ施策を推し進める中心人物・白井明子氏にインタビュー。

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■「箱根エヴァンゲリオン事件」客が集まりすぎて2日で中止に……



――先ほどお話にありました『エヴァンゲリオン』のキャンペーン(※1)も、白井さんがご担当されたんですね。

(※1)2010年、作品の舞台となる箱根の店舗をまるごと『エヴァ』の世界観で作りかえた「ローソン第3新東京市店」を実施。大きな話題となった。想定を上回る来客があり、トラブル防止のため、やむをえず2日間のみで終了となったが、それによってさらに、アニメキャラクターとのコラボレーションの威力を示すことになった。

白井
はい。当時、『エヴァンゲリオン』の版権管理を担当されている方とお会いする機会がありまして。
版権元様は「何か面白いことがやりたい」と言ってくださったんです。
それまでも、グッズを作って商品のおまけにつけるといったコラボはあったのですが、どういう面白いことができるかと思いまして、それで、新劇場版第1作目のとき、作品の舞台である第3新東京市が位置する箱根の仙石原にあるローソン店舗を『エヴァンゲリオン』一色で埋め尽くす「エヴァンゲリオン店舗」をやったんです。

今となっては聖地巡礼ということになるんでしょうが、そこでトラブルが起こってしまって……。

――来場するお客様があまりにも多すぎて、2日で中止になったという伝説のイベントですね。

白井
はい。地元の方にご迷惑をおかけしてしまって。

――アニメとコラボすることで、これだけ人が来るんだということを多くの人に印象づけた、ひとつのエポックメイキングな出来事とも言えますね。このキャンペーンの実施前の社内の温度感はどういう感じだったんですか? 

白井
当時は社内的には、そこまで盛り上がっている感じではなくて、「何か変なことやってるな」という感じだったのかもしれません。
中止になって、大騒ぎになって、初めて社内で知られるようになった感じでしたね。

――この聖地の店舗をその作品の世界観で作りかえてしまう「コラボ店舗」という手法は、ローソンさんの独壇場ですね。

白井
コラボ店舗というのは、他社さんはあまりされないですが、ローソンでは『エヴァ』で最初にやりまして、その後も恒常的にやるようになりました。

やはり、どうせやるのなら、作品の舞台になった「聖地」でやろうと思っています。

――ファンの方が、アニメをきっかけに、3次元のリアルな店舗を訪れるというのは、まさに「聖地」店舗ですね。

白井
そうですね。その場に行くと、ファンの方同士が会ったりしますので、そういうのも楽しいですよね。
これも私の熱意でやらせていただいたんですが、東京の月島に3店舗、『3月のライオン』のコラボ店舗を作りました。お店に行くと『3月のライオン』のファンだろうなという感じの女性がいっぱいました。



■『ジョジョ』の「OWSON」店舗は看板を変えて怒られました


――『ジョジョの奇妙な冒険』では、コラボ店舗として、作中に登場する「OWSON」を作られました。「LAWSON」の看板を付け替えてしまうわけですが、大変ではなかったですか?

白井
あれは、最初は荒木飛呂彦先生の原画展が仙台であるということで、そのタイミングでやったんですね。やらせて欲しいと版権元さんの集英社さんにお願いしたら、お許しをもらえました。
『LAWSON』のコーポレイトロゴをそのまま変えてしまうと、さすがにコンプライアンス部門が許してくれないので、上からカバーにして「本当の看板はいじりません」という今思うと不思議な説明で、コンプライアンス部門には話を通していたのですが、そのことを知らなかった別の社内の人に怒られたり(苦笑)。



白井
そういうこともあったんですが、荒木先生も実店舗を見に来てくださったそうで嬉しかったです。
パーティでも荒木先生にお会いして、「描いている時は、ローソンさんに怒られると思っていたので、逆にローソンさんがこんなことしてくれるなんて」と喜んでいただきました。

この「OWSON」店舗は、最近も「ジョジョ展」にあわせて六本木でもやりました。現在も大阪での「ジョジョ展」にあわせて大阪の難波千日前店でOWSON店舗を実施中です。

→次のページ:『BANANA FISH』私がやらねば誰がやる!
《山科清春》
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