高畑勲&宮崎駿監督の“彩色”のこだわりとは? ジブリ美術館「映画を塗る仕事」展を開催
三鷹の森ジブリ美術館が11月17日より、新企画展示として「映画を塗る仕事」展を開催することがわかった。故・高畑勲監督や宮崎駿監督が表現してきたものについて、そのこだわりを“彩色”の面から解き明かしていく。
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映画において色の役割は、その架空の世界にリアリティを持たせることと大きな関係がある。なかでも動く絵に塗られた色は、限られた色数でも工夫によってキャラクターに生き生きとした実在感を与え、その心情をも伝えることを可能にする。
スタジオジブリのアニメーションの礎を築いた故・高畑勲監督や宮崎駿監督は、商業アニメーションの黎明期から「登場人物とその日常を丁寧に描き、実写とは違ったリアリティ をもたせることで、観客の心に訴えることができる作品」を目指してきた。
実際の制作では、現実を写し取るための風景を選び、光の当て方で時刻や天候を表現したほか、物の材質や質感といったディテールさえも感じられるような色を選ぶことでも、作品世界をより豊かにするための工夫を重ねている。
このたび開催される「映画を塗る仕事」展は、そんな両監督のこだわりを彩色の面から解き明かす企画展示として、特に色彩設計の故・保田道世の手腕を当時のセルを用いて紹介していくものとなる。
デジタルによる着彩やCGによる画面づくりが主流になった昨今、セル絵の具による限られた色数の中で、監督の要求に最大限に答える努力を惜しまなかった知恵と工夫を目の当たりにできる展示から、色で“何が表現されたのか”を感じ取ってみたい。
三鷹の森ジブリ美術館企画展示「映画を塗る仕事」展は、11月17日から2019年11月まで開催予定。
三鷹の森ジブリ美術館の入場は日時指定の予約制となっており、美術館の11月入場分のチケットは10月10日より全国のローソンにて販売される。
三鷹の森ジブリ美術館企画展示「映画を塗る仕事」展
【開催期間】11月17日(土)~2019年11月(予定)
【特別協力】スタジオジブリ
(C)Studio Ghibli (C)Museo d'Arte Ghibli