「この世界の片隅に」終戦記念日に夏の再上映のん＆片渕監督が登壇した舞台挨拶レポ

終戦記念日の8月15日、アニメ映画『この世界の片隅に』が夏の再上映に際して、東京・テアトル新宿にて舞台挨拶を開催。イベントには主人公・すずの声優を務めたのん、そして片渕須直監督が登壇した。

イベント・レポート

2018.8.16 Thu 16:30

注目記事

終戦記念日の8月15日、アニメ映画『この世界の片隅に』が夏の再上映に際して、東京・テアトル新宿にて舞台挨拶を開催。イベントには主人公・すずの声優を務めたのん、そして片渕須直監督が登壇した。

鳴り止まない拍手の中、壇上に現れたのんは「久しぶりにテアトルに来られて嬉しいです、今日は宜しくお願いします」と挨拶。片渕監督は「642日を超えて1日も欠かさず全国で上映を続けていただいて。初めて舞台挨拶をさせていただいたこの会場で、このコンビで舞台挨拶ができて嬉しいです」と、テアトル新宿への思い入れを語った。

2016年11月12日の公開から今なおロングラン上映が続いていることには、片渕監督が「映画を作っているときは、クラウドファンディングでたくさんの方々に支援をお願いして、出来上がった後も沢山の人が作品を応援してくれて今日に至っていると思っています。お客さんも、マスコミの皆さんも、劇場も、私たちのため上映の場所を与えてくださっているのです」とコメント。

のんも「この作品に参加して、これほどまでに長く作品と付き合うことが初めてなのでとても貴重な体験をさせてもらっています。こんなにみなさんに愛されている作品は、世界中どこを見てもこの作品だけなのではないか。と思ってしまうくらいです！」と喜びの表情を見せた。

また当日は終戦記念日ということで、のんからは終戦を知ったすずさんが悔し泣きをするシーンについて「すずさんのリアルな気持ちを表現できるように、スタジオの照明を消して頂いて、真っ暗の中で集中してアフレコをしました」との収録秘話も。
片渕監督は「8月は終戦記念日や、原爆投下の日があるので、この映画を観てもらって、皆さんのおじいさんやおばあさん、親戚の方たちが、すずさんが生きて来た時代をどのように過ごしていたのかを、重ねて思い浮かべてもらえる機会になったらありがたい」と、作品に込めた思いを述べた。

そして『この世界の片隅に』は12月に、新規シーンを描き足した長尺版『この世界の（さらにいくつもの）片隅に』の上映が予定されている。追加アフレコへの意気込みを聞かれたのんは「これから付け足していくすずさんのシーンは、大人っぽいすずさんなので、その部分の解釈を自分なりに掘り下げて、監督と密に相談しながら、演じていきたいです！」と熱を込め、舞台挨拶は終始和やかなムードで終了となった。

『この世界の（さらにいくつもの）片隅に』は12月よりテアトル新宿・ユーロスペースほか全国にて公開。

《仲瀬コウタロウ》