「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは 3ページ目 | アニメ!アニメ!

「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは

7月22日より放送スタートするTVアニメ『THE REFLECTION(ザ・リフレクション)』より、長濵博史監督にインタビューを行った。

インタビュー
注目記事
「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは
  • 「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは
  • 「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは
  • 「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは
  • 「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは
  • 「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは
  • 「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは
  • 「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは
  • 「THE REFLECTION」長濵博史監督インタビュー スタン・リーと超アメコミ好きクリエイターが生み出すアニメとは
――ヒーロー作品を盛り上げるには、やはりヴィランの魅力も欠かせないと思うのですが、今作ではどんなヴィランが登場しますか?

長濵
金属を操る女性や、蛙のような化物などたくさんの謎めいたキャラクターが登場します。今作では、ヴィランはヒーローよりも自らの能力を受け入れるのが早くて、すでに先手を打っているという世界となっています。 ヴィランになる人間はある意味、パワーを手に入れてしまって普通では無くなったことで自暴自棄になり、社会に溶け込むことを諦めているものが大半で、そんな連中を束ねる人間も出てきて、組織化が始まっています。 一方で、ヒーローはまだ個々に活動しているので、ヴィランのネットワークに圧倒されているというような状況となっています。

――ヴィランはチームを組んでるのに、ヒーローはまだバラバラなんですね。

長濵
そうですね。エクスオンはすでにヒーロー活動をやっているキャラクターである一方で、アイガイはこれからヒーローになっていく人物だったりと、いろんなアメリカン・コミックのスーパーヒーローの形を散りばめています。 エクスオンの特徴としては、マスクは脱がないしオリジン(※ヒーローの誕生秘話)は明かさないヒーローであるというところです。もちろんオリジン自体は作ってあるんですが、それを作った当人以外は、彼を演じる三木眞一郎さん以外知りません。 だから、三木さんにはエクスオンのコスチュームがまったく違うものに見えてるでしょうね。物語の中でもちらっとだけしか明かしません。そういう断片的なものでいろいろ想像を膨らませながら、楽しんでいただければと思っています。


――パワーも相手の能力のコピーなあたり、本当に正体不明な感じで面白いですね。では、一方でアイガイはどんなキャラクターなのでしょう

長濵
アイガイは肩の張った大きなアーマーを着ていますが、これは彼の自己顕示欲の現れでもあります。 彼は有名な歌手だし、本名も「イアン(Ian)」なので、彼自身としては「ほら、俺だよ。みんな分かるでしょ」と思っているんですが、とある事情で能力者たちへの風当たりが強くなってきているので、正体を明かすタイミングを逃してしまっているようなキャラクターです。


――そういえば、主人公の人はどちらも完全に顔を隠したコスチュームのヒーローですね。やはりハーフマスク系のヒーローはあまり日本では受けないと考えた結果なのでしょうか

長濵
そういうことは考えてないですね。エクスオンに限って言えば、完全に顔を隠すことで、どんな人種でも性別でもあり得るという風にしたかったんです。これは、スタン・リーがスパイダーマンのコスチュームに関して言った「あのコスチュームはどんな世界の読者でも自分がコスチュームを着ていると思い描けるものなんだ」という発言に影響を受けています。 残念ながら、僕ら読者はスパイダーマンはピーター・パーカーなんだということを知ってしますけどね。もし記憶が消せるならスパイダーマンがピーター・パーカーだってことの記憶を消したいですね(笑)。 ジェイムソン編集長が劇中で「スパイダーマンを悪者だ」と言っているところも、グエンの父のステイシー巡査が正体を探る話も、スパイダーマンの正体を知らないで読んだらもっと面白いかもなぁとは思っていたのです。
そういう意味もあって、今回のエクスオンは全身を覆うコスチュームで正体を完全に隠しているんです。マスクをかぶれば自分もエクスオンになれるかもしれない。そんなことを考えて欲しいですね。 スタンと話し合った時も、正体不明のスパイダーマンを作りたいということを話しました。そういうこともあって、正体不明であるという意味の「X」もかかったネーミングになっています。


――かなり深い意味をデザインに盛り込んでいるんですね。

長濵
そうなんです。日本で作られた「アメコミっぽいデザイン」は日本的に翻訳されたものが多くて、カッコよさ重視のあんまり意味のないパーツがついてたりしますが、例えばキャプテン・アメリカのコスチュームはアメリカ国旗がモチーフであり、国旗を纏って戦場で戦うという意味がありました。また彼がコスチュームを脱いで引退する理由もアメリカという国家を信じられなくなったからとちゃんと意味がありましたよね。 スパイダーマンは当初はあんな格好じゃなかったんだけど、ピーター・パーカーがTV番組で稼ぐためにもっと目立つ格好にしようと、おなじみのデザインになったという設定があります。よくよく考えたら、全然蜘蛛じゃないですからね、あのコスチューム(笑)。
そういう形で、今作のキャラクターのコスチュームもすべてストーリーを持たせてデザインしてあります。形だけでなくカラーリングにも大事な意味を持たせてあるんです。 それをスタンと話し合って、絵を見てもらい、名前をつけてもらっています。最近はちょっと長めの名前を付けるのが気に入っているのか、スティール・ルーラーとかフレイミング・フューリーみたいな、音のカッコよさを重視したちょっと複雑な名前をつけてくれていますね。 ちなみにスタン・リーのキャラクターはミスターミスティックという名前になっています。でもみんな、劇中では正式名称であんまり呼ばれないんですよ

――アメコミヒーローヴィランっぽいですよね。

長濵
そうなんですよ。スパイダーマンが「ウェブヘッド(蜘蛛の巣頭)」、アイアンマンが「シェルヘッド(殻頭)」と呼ばれたりするように、愛称で呼ばれることが多いです。例えば、アイガイはヴィランの間では名前が知られていないので「トサカ頭」とか「青いの」と呼ばれますね。そういうのが、やりたかったんです。
《傭兵ペンギン》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集