若年層アニメーターの生活実態調査を公表 家族から経済的援助を受けている者が半数以上 | アニメ!アニメ!

若年層アニメーターの生活実態調査を公表 家族から経済的援助を受けている者が半数以上

「特定非営利活動法人 若年層のアニメ制作者を応援する会」(AEYAC)は、若年層アニメーター生活実態調査の結果速報を公開した。回答者の半分以上が家族からの経済的援助を受けながら働いていることが分かった。

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「特定非営利活動法人 若年層のアニメ制作者を応援する会」(AEYAC)は、若年層アニメーター生活実態調査の結果速報を公開した。回答者の半分以上が家族からの経済的援助を受けながら働いていることが明らかになった。

AEYACは支援活動の一環として、経験年数3年以内のアニメーターを対象に労働実態・生活実態についての調査を実施した。その第1回となる2016年度は、インターネット調査にて153件(男性29%、女性69%、その他2%)の回答を得た。
実家暮らしの回答者は全体の35%で、その全員が「主な家計支持者ではない(世帯の主たる稼ぎ手ではない)」と答えている。さらに「実家暮らしではないが仕送りを受けている」回答者は18%のため、計53%が家族から何らかの経済的援助を受けて働いていることが分かった。
実家暮らしではない者のうち58%は「生活のために貯金を切り崩したことがある」と回答。家賃を負担している者のうち、最も回答が多かった金額は「3万円から5万円未満」で32%だった。

通勤時間に関しては「30分以内」が全体の過半数を占めた。その一方で「1時間から1時間半」と回答した者も14%存在する。とくに実家暮らしである者の61%は通勤時間が1時間以上だと回答。実家暮らしでない者の76%が「30分以内」であるのとは対照的だ。
奨学金の返済については、「行っている」と回答した者が33%だった。日本学生支援機構によると、2012年度における学生数に対する奨学金の貸与割合は37.7%で、今回のサンプルと同程度の水準である。アニメーターの生活を苦しくさせる要因として、業界の低賃金問題だけではなく、若者の労働問題に共通する奨学金返還負担の問題があることも指摘できる結果となった。調査全体の結果は、2017年2月に報告書として発表される。
《高橋克則》
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