人気アニメの国内外の積極的なビジネス展開が、テレビ東京ホールディングスの収益を押し上げている。2016年3月期決算でテレビ東京HDは増収増益となったが、決算発表説明会では高橋雄一社長が自ら『NARUTO』のタイトルに言及し、アニメ事業を増益の大きな要因のひとつとして挙げた。テレビ東京のアニメ事業の2016年3月期売上高は144億2300万円(74.4%増)、粗利益は48億8900万円(102.0%増)と売上高、利益とも急伸している。売上高ではそれでもテレビ東京グループ全体の10%強に過ぎないが、粗利益は営業利益全体の7割近くにあたる規模だ。アニメ事業の存在感の大きさが分かる。では好調を続けるアニメ事業は、一体どういった作品で売上、利益をあげているのだろうか。その一部が決算発表の補足資料として公開されているアニメタイトル別の売上高、粗利益ベスト5から分かる。最も売上高の大きかったのは『NARUTO』だった。『NARUTO』は国内外で好調で、国内では劇場映画のヒットが貢献した。さらに『NARUTO』の好調は海外で顕著である。アニメ事業だけでなく、テレビ東京グループ全体の海外事業を牽引しているという。海外配信のライセンスに加えて、ゲーム関連の売上も多い。中国向けではスマホゲームアプリ『火影忍者MOBILE』がヒットし、2016年3月に中国App storeでセールスランキング1位となっている。また2016年2月に発売されたPS4ゲームソフト『ナルティメットストーム4』も世界販売が150万本を超えるヒットになっている。売上高2位は『妖怪ウォッチ』、3位に『銀魂』、4位に『遊戯王』、5位に『ポケットモンスター』が続く。国内外でキッズ層に人気の作品が上位を占めるなかで、国内のヤングアダルトに支持の厚い『銀魂』の健闘が目立っている。テレビ東京のビジネスがファミリー・キッズだけにとどまってないことが分かる。また今回は『妖怪ウォッチ』がトピックスである。前年は4位だった売上高は、2位に浮上しただけでなく、粗利益では好調とされる『NARUTO』をさらに上回った。テレビ東京では『妖怪ウォッチ』が想像以上に息が長い作品となっている、商品化が続いていると説明する。さらに『妖怪ウォッチ』は2015年から米国で放送が開始、欧州でも順次放送が開始するなど、次は海外での活躍を期待されている。テレビ東京 アニメタイトル別 売上高ベスト5 (2015年4月~2016年3月)1.『NARUTO』2.『妖怪ウォッチ』3.『銀魂』4.『遊戯王』5.『ポケットモンスター』テレビ東京 アニメタイトル別 粗利益ベスト5 (2015年4月~2016年3月)1.『妖怪ウォッチ』2.『NARUTO』3.『ポケットモンスター』4.『銀魂』5.『遊戯王』
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