高浩美のアニメ・マンガ×ステージ評 ミュージカル『刀剣乱舞』、歌劇『明治東亰恋伽』 | アニメ!アニメ!

高浩美のアニメ・マンガ×ステージ評 ミュージカル『刀剣乱舞』、歌劇『明治東亰恋伽』

連載・コラム

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~(c)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会撮影/冨田祐太郎
  • ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~(c)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会撮影/冨田祐太郎
  • ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~(c)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会撮影/冨田祐太郎
  • ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~(c)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会撮影/冨田祐太郎
  • 歌劇『明治東亰恋伽~朧月の黒き猫~』(c)歌劇「明治東亰恋伽」製作委員会 (c)MAGES./LOVE&ART撮影/洲脇理恵(MAXPHOTO)
  • 歌劇『明治東亰恋伽~朧月の黒き猫~』(c)歌劇「明治東亰恋伽」製作委員会 (c)MAGES./LOVE&ART撮影/洲脇理恵(MAXPHOTO)
  • 歌劇『明治東亰恋伽~朧月の黒き猫~』(c)歌劇「明治東亰恋伽」製作委員会 (c)MAGES./LOVE&ART撮影/洲脇理恵(MAXPHOTO)
高浩美のアニメ・マンガ×ステージ評
第171回

■ ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~

ストーリーは基本的にトライアル公演と同じだが、全体として”ヴァージョンアップ”。
まずはミュージカル、「刀剣乱舞、いざ、始めよう!」、壮大さを感じる音楽で幕開き、映像で戦いの場面、風の音、アンサンブル陣による戦いのシーン、それからキャラクターが次々と登場し、『刀剣乱舞』のナンバー、ここで早くもテンションアップ、ミュージカル『刀剣乱舞』の幕開きである。

加州清光に審神者から命令が下る。1189年(文治5年)に出陣せよとのこと。加州清光が率いる第1部隊のメンバーは三日月宗近、小狐丸、石切丸役、そして岩融、今剣。
今剣は源義経の守り刀と言われている。元気いっぱいのキャラクターであるが、その命令を聞いて、表情が曇る。岩融は武蔵坊弁慶が使っていた薙刀で、豪快だが、どこか品が良く、今剣を可愛がっていた。そんな今剣をどこかで心配する岩融、男気のある優しさにあふれたキャラクターだ。そんな2人がメンバーに選ばれ、他の刀剣男士と共に出陣する……。

おおむね、どんなストーリーなのか、察しはつく。義経を想う今剣の溢れんばかりの切ない気持ち、使命と主を想う気持ちの板挟み、掟破りの行動をとってしまう。他の刀剣男士たちもまた、その心中は苦しい気持ちでいっぱいだ。それでも歴史は守らねばならない、それが使命であり、正義である。その気持ちを乗り越えてこそ、刀剣男士たる所以なのである。アクション、殺陣もぐっと大胆に、もう”凄い”の一言、キャスト、スタッフの熱量を感じる1時間45分であった。

休憩をはさんで、2部はショー、ここはペンライト、団扇OK。「出陣せよ、我が刀剣男士!」の声で即テンションMAX。キャストの衣装もその場での早替え、和太鼓演奏もあり、ソロパートもあり、ひたすら楽しめるショーであった。9月の新作も待ち遠しい。

[公演データ]
ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~
[東京]2016年5月27日~6月12日 AiiA 2.5 Theater Tokyo
[大阪]2016年6月17日~6月19日 森ノ宮ピロティホール
[京都]2016年6月23日~6月26日 京都劇場
https://musical-toukenranbu.jp

■ 歌劇『明治東亰恋伽~朧月の黒き猫~』

『明治東亰恋伽』は女性向け恋愛アドベンチャーゲーム、ゲームのみならず、ドラマCDや小説、イベントDVD等のメディアミックスを展開している。2015年には劇場アニメ版が、今回は初の舞台化、それもミュージカル仕立てとなる。

幕開きは主人公の綾月芽衣が中央に、そして「芽衣ちゃん」と複数の声が聞こえ、芽衣は「誰なの?」と問いかける、どこか懐かしく感じる声、オープニングとなる。
チャーリーのマジックによって明治時代の東京・日比谷公園にタイムスリップした芽衣だが、すぐにそうとはわからずにチャーリーに「駅は?」と尋ねたところ、タイムスリップしたことを告げられ、びっくり仰天、森鴎外や小泉八雲に遭遇、この偉人たちがロック調の音楽で歌い踊る。出て来るキャラクターはファンの期待を裏切らない構築ぶり、ファンなら”あるある”なシーンが随所に観られる。この舞台にはいわゆる”アンサンブル”という主にダンスパートを担うキャストはおらず、登場人物が時として仮面をつけて踊る。これが効果的で、仮面を被る事による”匿名性”が生まれ、そのシーンの空気や登場人物たちの気持ちを視覚的に代弁する。
しかし、”100%アンサンブル”を担っている訳ではない。ところどころでキャラクターは、傍観者的な立場にもなりうる、秀逸な演出。時折、舞台後方に映し出される登場人物のシルエットは、物語の輪郭を印象的に際立たせる。また、影絵のような投射で”もののけ”を表現、このアナログな表現が作品世界にマッチする。

物語はヒロインと菱田春草の恋愛を中心に進行する。ヒロインは恋愛を通じて成長し、菱田春草は未来から来た少女に出会うことによって創作意欲が沸き、そして後世に残る”あの作品”を描き切る。神秘的な赤い月の夜に、その月は、心の奥に秘めたほとばしる熱い心を感じる。白雪がシックな衣装に身を包み、随所でしなやかなダンスと艶やかな歌声で『明治東京恋伽』の世界を縁取る。恋愛というエネルギーは、人を変える力がある。

[公演データ]
歌劇『明治東亰恋伽~朧月の黒き猫~』
2016年6月2日(木)~12日(日)

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~
(c)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
撮影/冨田祐太郎
歌劇『明治東亰恋伽~朧月の黒き猫~』
(c)歌劇「明治東亰恋伽」製作委員会 (c)MAGES./LOVE&ART
撮影/洲脇理恵(MAXPHOTO)
《高浩美》
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