作曲家・編曲家として長年活躍してきた冨田勲氏が、2016年5月5日に慢性心不全のため逝去した。5日、昼ごろ自宅で倒れ、東京都立広尾病院に搬送されたが、ここで家族に看取られながら息を引き取った。84歳だった。5月7日、8日に親族のみで葬儀を執り行い、後日、お別れの会を予定している。冨田勲氏は1932年、東京生まれ。慶応義塾大学在学中より作曲活動を開始した。1963年のNHK大河ドラマ第1作『花の生涯』の音楽を担当し、一躍注目を浴びた。その長いキャリアのなかで映画やテレビ番組の音楽を多く手がけ、その数は数え切れないほどである。アニメ音楽も『ジャングル大帝』『リボンの騎士』などの代表作がある。時には荘厳に、時には軽やかに、アニメの表現を際立たせる高い音楽性を実現してきた。交響詩版「ジャングル大帝」では芸術祭奨励賞を受賞している。特撮番組でも『キャプテンウルトラ』『マイティジャック』など、時代を代表する作品に音楽を提供した。冨田勲氏の大きな功績は、シンセサイザーによる作編曲・演奏である。この分野の先駆者として広く知られている。シンセサイザーによる音楽活動は1970年頃より始まったが、1974年にはアルバム「月の光」が米国ビルボード・クラシカル・チャート第1位となった。さらにこのアルバムで日本人として初めてグラミー賞にノミネートされるなど、冨田勲の名前を一挙に世界に広げた。以降、数々の世界的なヒットを生み出し、国境を越えたグローバルな活動が増えた。近年は、ネットからムーブメントを生んだ初音ミクとコラボレーションする「イーハトーヴ交響曲」を発表。バーチャルアイドルをソリストとしたことが話題となった。新しい音楽に取り組む姿勢は、最後まで一貫していた。
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