告白実行委員会とは、ニコニコ動画にアップされたPV『告白予行練習』や『ヤキモチの答え』などから生まれた物語世界だ。PVに登場する人物たちは楽曲の垣根を越えて共演し、心を交わらせていく。
世界を作り出しているのはコンポーザーのGom(ゴム)、shito(シト)、イラストレーターのヤマコという3人からなるクリエイターユニット・HoneyWorks。ボーカロイド曲として発表された曲たちを、豪華声優陣が新たに命を吹き込んだ2ndアルバムのスマッシュヒットも記憶に新しい。
キュンキュン系と呼ばれ、10代を中心に絶大な支持を受けるHoneyWorksはどのような集団なのか。劇場版への思いなどを3人にうかがった。
またニコニコ動画では曲の終盤になると「(イニシャル)、好きだよ~!」といった告白コメントの弾幕が流れる光景が他の作品にはない大きな見どころともなっている。
[取材・構成:細川洋平]
『ずっと前から好きでした。~告白実行委員会~』
http://www.honeyworks-movie.jp/
■ ワンシーンごとに大事に描いた映画
ーみなさんはいち早く試写をご覧になったということですが、完成された映画の感想をうかがえますか?
ヤマコ
すごくドキドキしました。どんな展開かもわかってるのにすごく身構えて見ちゃって(笑)。
shito
やっぱりちょっと照れますね(笑)。ニヤニヤを手で隠しながら見ちゃいました。こういう感情をみんなにも抱いて欲しいなと思いました。
Gom
映画って、誰かが死ぬとか、劇的でスケールの大きなものというイメージがあったので、自分たちがやっているような小さなコミュニティーでの恋愛は「映画の題材にふさわしいのかな」と不安になっていたんです。でも「ずっと前から好きでした。」という言葉とキャラクターたちの恋を、スタッフさん含めてみんなが掘り下げてワンシーンワンシーン大事に描いてくださっていたので、すごく安心しました。

ーHoneyWorks結成のきっかけを教えていただけますか?
Gom
元々はニコニコ動画でボーカロイドの曲をカバーしたり、バンドアレンジしてライブ出演したりしていた僕とshitoが、「オリジナルをやりたい」と思ったのがきっかけです。当時ニコニコ動画ではボーカロイドシーンが流行っていたので「ボカロ曲を作ろう」となりました。自分がメインの音作り、shitoにも作りたいテーマがあれば作ってもらって、あとはイラストレーターがいれば成立すると思ったので、3人で行こうと考えました。
ーヤマコさんはいつ頃どのようにして加入したのでしょうか。
Gom
Twitterに絵の上手い子がいる、とヤマコを見つけて「動画を作るので描いていただけませんか?」と声をかけました。
ヤマコ
たしか2010年5月あたりでしたね。私はその前からニコニコユーザーとしてGomさんの歌を動画で知っていたので「すごい、どうしよう!」と驚きました。shitoさんも私がよく見ていたベース動画のプレイヤーだったことが分かって、一気に繋がりました。
ーGomさんとshitoさんにとって、ヤマコさんのどのようなところが決め手になったのでしょうか。
Gom
決め手は描ける枚数ですね。動画にするには枚数が必要なので、僕らはヤマコがpixivに上げる更新の日付を見てたりしたんですよ。この子は早いぞ、って。(笑)
shito
しかも、うまい。
ヤマコ
ちょうどその頃、絵を描くのがすごく楽しい時期で2~3日に一枚のペースでイラストをアップしてたんです。それを見て「この人ならPVでもイラストの枚数をたくさん使える」と思ってくれたみたいで。ちょうどピッタリ合った、という感じですね。
Gom
いずれは即売会イベント等に出たいという目標もあって、じゃあチーム名を決めないとね、と言うことで「HoneyWorks」に。
ー「HoneyWorks」という名前の由来を教えていただけますか?
Gom
ヤマコから「かわいいものにしたい」と、僕が「略称にできるものがいい」と提案して考えました。すぐに「Honey」という言葉が出て、それからチーム感のある言葉として「Works」にまとまりました。で、「Honey」と「Works」で「ハニワ」……略せるじゃん! と。
ヤマコ
蜂のマスコットキャラクターも考えていたんですけど、もはや「ハニワ」というキャラができあがってしまいました(笑)。
