CGで戦車を描く!「ガールズ&パンツァー 劇場版」の挑戦 3D監督・柳野啓一郎インタビュー[後編] 2ページ目 | アニメ!アニメ!

CGで戦車を描く!「ガールズ&パンツァー 劇場版」の挑戦 3D監督・柳野啓一郎インタビュー[後編]

ヒットを続ける『ガールズ&パンツァー 劇場版』。主役は少女たちと、もう一つ「戦車」である。3DCGを通じて戦車の表現に新風を吹き込んだ本作の立役者のひとり3D監督の柳野啓一郎さんに引き続きお話を伺った。

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■ 演出がこだわるべきところ

―― ところで戦車をみせるコツというのはありますか。戦車はこの角度からがイイ、というこだわりがあったら教えてください。

柳野 ああ、逆にそういうところで捉われすぎてはいけなくて、それに準ずるようなカットが出てきたら出すぐらいの感じですね。それよりも、まずはアニメーションとしてツメタメが気持ちよくできているか、、画としての構図がいいかとか、そういう方が重要です。それが欠けていたら切り貼りのコラージュになってしまうので、一連の流れとしてみていいかどうかが大事じゃないかと。

―― リアルさよりもケレン味のほうが優先になりますか。

柳野 はい。そこをクリアした上で知っている要素を盛り込んでいくようにしています。この戦車はこういう独特な特徴があるとか、そういうネタを誰も気づかれないようにスッと入れておくんですよ。これは気づいた人がいればいいやぐらいのノリで(笑)。


―― 結果的にその隠し味が作品のスパイスになるんでしょうね。

柳野 普通に見てじゃまにならない部分に大量に情報を詰め込んで、二回目以降も細かいところでいろんな発見ができるというつくりが、いつも目指している部分ではあります。

―― 劇場版はリピーターが多いですし、何度でも楽しめますよね。初号試写でご覧になったときの印象はいかがでしたか。

柳野 「あ、本当に終わったんだ」という(笑)。

―― こんなにヒットしたら、また次があると思いませんか。

柳野 どうなんでしょう(笑)。

―― 次回作はさておき、ラストカットでエンドマークどころか、コピーライトも映倫マークもぶら下げない演出には驚きました。あれで観客の気持ちにノイズが入らない幕切れになるんですよね。

柳野 水島監督は全体的なふわっとした部分から細かいところまで結構みてらっしゃるので、そういう姿勢が最終的なフィルムに反映されてくるんだと思います。


abesan■プロフィール/柳野啓一郎(やなぎの・けいいちろう)
1979年、東京都生まれ。演出家。株式会社グラフィニカ3DCG部所属。『ガールズ&パンツァー』(2012)並びに『ガールズ&パンツァー 劇場版』(2015)で3D監督を務める。主な参加作品に『ブラスレイター』(2008)、『ストライクウィッチーズ2』(2010)、PSP『戦場のヴァルキュリア3』(2011)、『劇場版マクロスF 恋離飛翼~サヨナラノツバサ~』(2011)、『楽園追放 -Expelled from Paradise-』(2014)などがある。  

(C) GIRLS und PANZER Film Projekt
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