日本国内では2014年に公開され、大ヒットになった米林宏昌監督の『思い出のマーニー』が第88回米国アカデミー賞の長編アニメーション賞にノミネートされている。2016年2月29日に、最優秀賞が発表される。その行方が気になるところだ。『思い出のマーニー』は少女・杏奈が不思議な少女マーニーと出会い、頑なだった心が解きほぐされていく青春物語。2014年に興行収入35.3億円の大ヒットになった。2015年には英題『When Marnie Was There』としてニューヨーク、ロサンゼルスを皮切りに全米公開もされ、話題を呼んだ。ここから米国アカデミー賞のノミネートにつながった。スタジオジブリ制作のアニメーション映画としては、『千と千尋の神隠し』から数えて5回目、『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』に続いて3年連続ノミネートの快挙だ。米林監督は「『思い出のマーニー』がアカデミー賞にノミネートされましたことを大変光栄に思っています。この作品を選んでくださった方々や、関わってくれたすべてのスタッフに感謝します。たくさんの人たちに楽しんで観てもらえるような作品をこれからも作っていきたいと思っています。この度は本当にありがとうございました」と喜びのコメントを明かしている。さらに今年はもう1作品、スタジオジブリ縁の作品が、長編アニメーション賞にノミネートされている。2015年に日本でも公開された『映画 ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ ホーム~』である。英国のアニメーションスタジオであるアードマン・アニメーションズが制作した本作は、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー作品として日本ではリリースされた。スタジオジブリとアードマン・アニメーションズの交友関係はよく知られている。『映画 ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ ホーム~』の制作を行ったアードマン・アニメーションズは『ウォレスとグルミット』シリーズなど常にクオリティの高いクレイ・アニメーションを生み出すことで知られている。ジブリの宮崎駿監督がイギリスに訪れた際にその作品作りの姿勢に共感したのをきっかけにジブリとの交流が始まった。2006年には宮崎監督が自身で企画・原案・監修で三鷹の森ジブリ美術館でアードマン展を開催し、その際タイトルに「イギリスの友人を紹介します」とつけられる程、両社の関係は深く、現在NHK Eテレで放送中の『ひつじのショーン』も三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー提供作品となっている。スタジオジブリとアードマン・アニメーションズ。同じ志を持つ2社の作品がどのような結果を残すか。日本時間で2月29日午前に行われる授賞式に注目したい。
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