2月4日、ディズニー/ピクサー最新作『アーロと少年』の国内記者会見が都内にて行われた。スタッフからピーター・ソーン監督とデニス・リームプロデューサーが来日したほか、キャストからも安田成美、松重豊、八嶋智人、片桐はいり、石川樹らが登壇した。会見は数々のヒット作を世に届けてきたピクサー30周年の節目の年に公開されるあり、メディアからの関心も高かった。そんな中で登壇者がアドベンチャー・ファンタジーの魅力を語った。『アーロと少年』で長編監督デビューを果たしたピーター・ソーンは、ピクサー初のアジア系監督である。彼はアニメの世界に足を踏み入れた理由の一つとして、母との思い出を挙げた。「私の両親は韓国で生まれ、70年代にニューヨークへ移住しました。母は映画が大好きでしたが英語が分からなかった。でもアニメはセリフを使わなくても、ちょっとしたニュアンスで気持ちを伝えることができるんです」と力強く話す。「『ダンボ』には檻に入れられたお母さん象が、鼻を出してダンボと触れあう場面があります。そのシーンを見た母が涙を流していたのは、私にとって大きな衝撃でした」と幼い頃を振り返った。そして「言葉がなくても何かを人に感じさせる力を持っている。アニメが好きなのはそれが理由です」と自らの想いを伝えた。『アーロと少年』は恐竜・アーロと少年・スポット、言葉の通じない二人の友情を描いている。そのテーマには、母との思い出も関係していたことが垣間見られるエピソードだった。今回が初来日のリームプロデューサーは、日本通で知られる製作総指揮のジョン・ラセターから「まずロボットレストランへ行け!」とオススメされたと告白し、会場の笑いを誘った。明治神宮では結婚式を目撃するなど、日本の風景から様々なインスピレーションを得たそうだ。次回作以降にどう反映されるのか注目したい。記者会見の後半では日本語吹替版キャスト陣が登壇。アーロ役の石川樹、アーロのママ役の安田成美、アーロが出会うT・レックス一家の父・ブッチ役の松重豊、弟・ナッシュ役の八嶋智人、姉・ラムジー役の片桐はいりがスタッフと対面した。ソーン監督は日本語吹替について「抑揚や音感を含めてパーフェクトとしか言いようがありません。本当に素晴らしい声を当てていただけました」と絶賛。キャスト陣も安堵の表情を浮かべていた。松重は「『アーロと少年』の友情には許し合うという気持ちが入っている。民族同士であっても国同士であっても、友情は許し合うことから始まるんじゃないだろうか。そういったことまで心に訴えてくる作品です。友情という言葉の広がりがすごく感動的でした」と作品を見て涙してしまったことを打ち明けた。『アーロと少年』は3月12日全国ロードショー。[高橋克則]『アーロと少年』来日記者会見日程: 2月4日登壇: ピーター・ソーン(監督)、デニス・リーム(プロデューサー)安田成美(アーロのママ役)、松重豊(ブッチ役)、八嶋智人(ナッシュ役)、片桐はいり(ラムジー役)、石川樹(アーロ役)(c)2016 DISNEY / PIXAR.
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