電子書籍サイトの大手イーブックイニシアティブジャパンが、海外進出を強めている。同社が運営する「eBookJapan」は、マンガ分野の国内デジタル配信で強みを見せるが、そうした取り組みを海外に広げる。イーブックイニシアティブジャパンは、2015年11月1日にインドネシアのマンガファンに向けた電子書籍ストア「MangaMon」をオープンした。「MangaMon」は日本マンガを中心にインドネシア語で電子書籍を購読できるエンタテインメントのプラットフォームとなる。マンガの閲覧のほか、日本のポップカルチャーの最新情報、さらにイベント企画などを通じて、様々なエンタテイメントを提供する。事業の運営にあたっては、インドネシアの大手企業コンパス・グラメディアグループのELEX社とM&C社と事業提携している。インドネシアは親日的で日本のエンタテイメントの人気が高い国とされている。しかし、日本のエンタテイメント企業には馴染みの薄い地域である。そうしたなかで現地の有力企業と協力することで、ファンへの浸透を図る。またインドネシア語翻訳版でマンガを紹介することで、海賊版でない正規版の普及を目指す。スタートにあたっては、日本語のマンガ25タイトル179冊が用意した。今後も日本の出版社と協力してラインナップの拡充を目指す。サービスの利用は各種デバイスのブラウザに対応しているだけでなく、Android、iOSに向けたアプリも用意されている。また決済はクレジットカードのほか、携帯電話経由、ネット銀行、ATMへの振り込み、さらにインドネシアで広く利用されているコンビニストア決済もある。幅広い決済機能がサービス普及の力になりそうだ。「MangaMon」の特徴のひとつが、電子書籍の配信とどまらず、カルチャー情報の発信に力を入れていることだ。日本の企業が運営する情報サイトとのコンテンツ連携を行うほか、現地のポップカルチャー情報サイト、メディアとも協力する。さらにマンガコンテストやコスプレコンテスト、イラストコンテストの開催も予定している。サイトに人を集め、そこからマンガ購読につなげる狙いがありそうだ。アジアの中でも有数の巨大市場だが、まだ日本のエンタテインメンにとってはインドネシアは未開拓な国だ。「MangaMon」がそうしたなかで風穴を開けるのか、今後の展開も注目される。 [/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
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