最終日には、映画祭のメインイベントなるコンペティション部門の各アワードも発表された。このうち短編アニメーション部門のグランプリ(Grand Prize for Best Independent Short Animation)に、日本の二瓶紗吏奈さんの『Small People With Hats』が受賞した。
オタワ国際アニメーション映画祭は1976年にスタート、フランスのアヌシーやクロアチアのザグレブ、そして日本の広島国際アニメーションフェスティバルと並び知られる国際アニメーション映画祭である。2007年には、日本の山村浩二監督の『カフカ 田舎医者』もグランプリを獲得している。
2015年には2100以上の応募作品があり、74本の短編映画、4本の長編が公式上映された。短編部門コンペティション部門には56本が選ばれた。『Small People With Hats』は厳しい競争のなかから見事グランプリに輝いた。さらに最優秀音楽賞(Award for Best Sound)も同時受賞と高い評価を受けた。
二瓶紗吏奈さんは多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒、その後英国の名門芸術学校ロイヤルカレッジ・オブ・アーツに留学した。『Small People With Hats』は同校在学中に制作したものだ。このため本作は日本からではなく、英国からのエントリーとなっている。
『Small People With Hats』は、紙のうえにアクリルペイントとペンで描いた絵を動かす。作中では帽子をかぶった人物が、社会で起きている避けられることの出来ない状況に直面する様子を描く。シュールさと皮肉に満ちた作品だ。
本作はこれまでにハンガリーのアニメーション映画祭PRIMANIMAでもグランプリを受賞している。またアヌシーでも学生部門で公式出品されるなど実績を重ねてきた。
39年の歴史を誇るオタワ国際アニメーション映画祭だが、学生による作品が短編部門のグランプリとなったのは初めてとなる。
『Small People With Hats』
/Small People with Hats (trailer) from /Sarina Nihei on /Vimeo.