アニメライターの仕事術-第16回『艦これ』みたいなタスクを編成しよう | アニメ!アニメ!

アニメライターの仕事術-第16回『艦これ』みたいなタスクを編成しよう

連載・コラム

■ 時間区切りでは休憩にならなかった……

自分をどうノセて仕事をするか。
私の一番の問題は、休憩をした後の再スタートがうまく切れないことでした。

『時間割』を作ったことがありました。
作業時間は1時間30分で区切って、合間合間に【固定の壁】として休憩を入れる。

でも、お昼ご飯を食べた後に集中できるかはその時のテンション次第で、差し迫った〆切がないとやる気が起きなかったり、休憩を挟んでもう一回スタートを切ることができませんでした。

時間割の中で、心身ともにリフレッシュできる「区切りの壁」として機能しているのが「昼ご飯」だけ、という状態に困っていました。

一回集中した後に、もう一回集中したい!

特に、お昼ご飯ではない「小さな休憩」の後に再スタートを切るにはどうしたら良いか?いろんなことを試していました。

90分ごとに仕事と休憩を交互に入れてペース配分をする「1コマ授業制」、懸案作業を優先する曜日を設ける「優先曜日制」……。

タイマーも使ってみました。
よく仕事術の本で「1時間やったら休憩を10分取る」というように書いてあるので、作業時間と休憩時間に鳴るようにタイマーをセットしたのですが……。
10分休憩したからといって、やる気が回復しない……!

それどころか、タイマーが鳴るたびに「せっかく集中しているのに何で中断しなきゃいけないの!?」と腹が立ってきてしまう。かえって集中を削ぐ結果に終わりました……。

これまでの数々の失敗の結果から、
《熱中気質の人間は、「時間」で区切ることに向いていないのでは?》という気付きに至りました。

テンションを最重視する私の性分では、「時間の枠を意識する」ことが苦手などころか、
そもそも《感情を(時間で)分断されることが嫌い!》なのだと気がつきました……。

一時期は、自分は社会人失格なのかも……と落ち込んだのですが、その頃にちょうど出会ったゲーム『艦隊これくしょん』(以下『艦これ』)が、仕事術のステップアップのヒントとなりました。


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■ 仕事の区切りは、「時間」ではなく「タスク」にしよう

『艦これ』では、艦隊を出撃させるには油や弾薬といった資材が必要で、その資材を集めるのが「遠征任務」です。
遠征任務に出せるのは、第2艦隊、第3艦隊、第4艦隊の3つ。
一日の間に、遠征から帰ってきた艦隊から資材を回収して、再び遠征に出すというルーチンを繰り返します。

この「遠征任務」の艦隊運用が、仕事の進行表である「ガントチャート」のような役割を果たしました。

私がよくやっているのが、3つの艦隊が同じ時間に戻ってくるようにすることです。
そうすればゲーム画面を開く回数が、1回で全部済みます。
たとえば第2艦隊を1時間30分かかる遠征任務に出すのであれば、第3と第4艦隊はそれぞれ40分と45分の任務に2回出します(同じ時間に同じ任務に複数出すことはできません)。
45分遠征を2回出すと、ちょうど第2艦隊(1時間30分)が戻ってくるのと同じ時間に戻ってきます。

この隙間のないスケジューリングが美しい! 時間の運用がうまくいくと、気持ちが良いものです。人間(私)もそのように動けばいいのに!

そこでハタと気がつきました。
艦隊運用は、人間の「タスク運用」にも、応用が利くのではないかと。

■ 「時間区切り」から「タスク区切り」への切り替え
私の仕事のつまづきをもう一度振り返ると、
気分の盛り上がりで仕事に集中するテンション型は、「時間区切り」をすることで、かえって自分のテンション=心の盛り上がりを崩してしまっていました。

だから「時間区切り」を、『艦これ』のように「タスク区切り」に変更してみるのはどうだろうと考えたのです。
休憩は、「ひとつの作業が一段落した時」に取ることにしました。

これまでも、今日はうまく進んでる!という日は、種類の違うタスクをいろいろ組み合わせていたことを思い出しました。
さっきまでとは異なる作業が、気分転換にもなっていた【第8回リンク】のです。

《一区切りの単位を「時間」から「タスク」に変える》。

このタスク運用を工夫することが、「いかに早く自分をノセるか」に繋がっていきました。

次回は、タスク運用の話にいきたいところですが、
まずは「取りかかりの壁」問題について書いてみようと思います。

取りかかりの壁問題とは?
難しいくてやるのがおっくうだなあという作業がある時。簡単だけどなんだか気分が乗らない時。取りかかりの壁がすごく高く見えてしまっているんですよね。

立ちはだかる壁をどう突破するか!?
この問題の解決法を説明したあとに、初めて「タスク運用」の話にいけると思います。
次回もどうぞお楽しみに!

■ 渡辺由美子(わたなべ・ゆみこ)
アニメを専門にするカルチャーライター。インタビュー記事、評論、エッセイなどの原稿を書いたり、誌面を構成したり。web媒体『ASCII.jp』で「誰がためにアニメは生まれる」を、隔月刊『Febri』で「妄想!ふ女子ワールド」等を連載中。単行本『ワタシの夫は理系クン』(NTT出版)など。渡辺由美子ブログはこちら。
イラスト・宮原美香
《渡辺由美子》
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