舞台「こどものおもちゃ」、スピーディーに展開、リアリティあふれ、笑ってホロリ。 | アニメ!アニメ!

舞台「こどものおもちゃ」、スピーディーに展開、リアリティあふれ、笑ってホロリ。

高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 連載第137回 [取材・構成: 高浩美]■ 学級崩壊やいじめ、離婚などの家庭問題等を子供の視点で描いているシニカルな作品

連載・コラム
舞台『こどものおもちゃ』(C)小花美穂/集英社・りぼん
  • 舞台『こどものおもちゃ』(C)小花美穂/集英社・りぼん
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高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 連載第137回
[取材・構成: 高浩美]

■ 学級崩壊やいじめ、離婚などの家庭問題等を子供の視点で描いているシニカルな作品

1994年から『りぼん』に連載された漫画、『こどものおもちゃ』、単行本で全10巻、1998年、第22階講談社漫画賞少女部門を受賞している傑作だ。学級崩壊やいじめ、離婚などの家庭問題等を子供の視点で描いている、シニカルな内容だ。

主人公は人気子役・倉田紗南。子供劇団に所属し、タレント・俳優活動をしている。一見、お調子者に見えるが、内面はナイーブ。彼女の同級生の羽山秋人、これが曲者で、問題児。
この二人の他に、ひとくせもふたくせもある大人が登場する。紗南の養母である実紗子は青木賞を受賞した人気作家だが、締め切りを守ったことがなく、編集者を困らせている。奇抜な髪型でいわゆる”変人”、これを演じるのが、月野うさぎ役で知られる人気声優の三石琴乃。どんなはじけっぷりを見せてくれるのか、楽しみである。
紗南のマネージャー・相模玲、羽山秋人の父・羽山冬騎、実の母親の坂井佳子、と原作を知っていれば、おなじみの顔ぶれだ。このキャラクター達が舞台に飛び出し、物語を紡いでいく。また、CHaCK-UPの面々も賑やかに登場する。夏休みっぽいステージとなりそうだ。

■ お約束のピコピコハンマーやりすのまろちゃん等は”きっちり”、作品の普遍性と強さを感じる

TV版アニメシリーズでよく知っているBGMが流れる。まずは人気子役・倉田紗南が登場する。彼女の日常は忙しい。様々なテレビ番組の収録に飛び回る。彼女の身の回りの世話をするのはマネージャー兼ヒモの相模だ。「急いで!紗南ちゃん!」と紗南を次の現場に連れていく。倉田紗南はとにかくしゃべる、動く、笑う、まるで悩み等ないが如くに振る舞う。
彼女が通う小学校、これが荒れている。先生をいじめる小学生、そのボス的存在が羽山秋人、なかなかダークだ。奇抜なヘアースタイルの養母・実紗子、締め切りに追われて、編集者から逃げ回る。こんな紗南の普通じゃない生活ぶりをテンポ良く見せる。ひねくれ者でいじめをする秋人、しかし、いつもうつむいてばかり、どこか翳りがある。ひょんなことから何故、秋人が問題児になってしまったのかを知ってしまう紗南。正義感が強い彼女はある計画を立てる……。

全体としてスピーディーに物語は展開する。紗南の芸能界のお友達としてCHaCK-UPが登場し、歌にダンスに、と大張り切りぶりが可笑しくも微笑ましいい存在だ。お約束のピコピコハンマーやりすのまろちゃん、インスタントカメラにこまわりステップ、ちちくりまんぼー等、原作・アニメを知ってるファンなら、ここは思わず「懐かしい!」と心の中で叫ぶところ。
シニカルなどたばたコメディだが、名場面はきっちり。笑って笑って、時には考えさせられ、ラストはちょっと泣ける、そんな1時間半の、1幕ものの作品としてきっちりと仕上がっていた。

ダブルキャスト、まろちゃん組の奥田こころ&板垣李光人で観劇。奥田こころは絵に描いたような”元気な紗南”、歌もダンスもキッチリ決まっていて将来性を感じる。また、秋人演じる板垣李光人、細かい芝居に健闘。クラスメイトを演じていた子役の面々、とにかく元気いっぱい。
脇を固める”大人”キャスト、養母役の三石琴乃、頭の”家”もよく似合っており(!?)、また編集者から逃げ回るところは必見、もう”ショーストッパー”だ。マネージャー役の山本一慶、コメディリリーフに徹し、コケたり、ボケたりの大活躍。恩田役の平井浩基の派手なコケっぷりと走りっぷりもかなり笑える。

脚本・演出の大地丙太郎、アニメの『こどものおもちゃ』の監督だけあって、マンガ・アニメの面白さを舞台ならではの表現にのせて『こどものおもちゃ』の世界をリアルに”再現”。銀座の博品館劇場は小振り故に濃密な空間だ。原作ファンなら大きくうなずけるし、原作を知らない観客はアニメやマンガをチェックしたくなる。
原作登場がおよそ20年以上前ではあるが、古くならない。設定はまずあり得ないのだが、何故かリアル。原作の力強さを感じる。描かれているテーマは普遍的、こういった作品はもっと”発掘”して欲しい。

りぼん創刊60周年記念公演 舞台『こどものおもちゃ』
2015年8月20日~30日 銀座 博品館劇場
原作: 「こどものおもちゃ」小花美穂(集英社「りぼん」連載)
脚本・演出: 大地丙太郎(アニメ「こどものおもちゃ」監督)

ばびっと組:小椋梨央 相澤侑我
吉村美音 有馬ひより 高橋実生 吉原ゆめか
まろちゃん組:奥田こころ 板垣李光人
磨井彩月 風間莉里 河合若菜 未来

山本一慶 本郷弦
CHaCK-UP (火星人★マル、金星人★ヴィー、木星人★ジュジュ、土星人★ドット、天王星人★レイ)
八木菜々花 平井浩基/
伊藤壮吾 江崎政博 西田光貴 高橋佳大/三石琴乃
※ばびっと組、まろちゃん組はダブルキャスト。

舞台『こどものおもちゃ』
(C)小花美穂/集英社・りぼん
《高浩美》
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