この夏の話題のアニメ、映画『バケモノの子』がついに完成した。その披露試写会が6月15日に東京国際フォーラムで行われた。上映後には細田守監督、役所広司さん、宮崎あおいさん、染谷将太さん、広瀬すずさん、大泉洋さん、リリー・フランキーさん、津川雅彦さんと豪華キャストが登壇し、本作の制作やアフレコについてトークに花を咲かせた。満員となった会場を沸かせた。本編上映終了後、幕が開く前に客席にサプライズが起こった。映画に登場する「チコ」が雪のように舞い降りたのだ。客席からは歓声が上がり、それを手に取る観客の光景が広がった。そして幕が開き登壇者の姿が見せると、さらに歓声は大きくなった。主人公・久太の育ての親にあるバケモノの熊徹役の役所さんは「細田監督の作品に参加できたことを誇らしく思っています」と感慨深そうに述べた。その少年時代の久太を演じるのが宮崎さん。細田監督の前作『おおかみこどもの雨と雪』に引き続きの参加となる。「光栄に思います」とその喜びを語る。さらに成長後の久太を染谷さんが演じる。「いつまでも時代が過ぎても、色あせない、そんな名作」と作品を絶賛した。ヒロイン役となる広瀬さんは初めての声の仕事ということもあり、終始緊張した面持ちだった。司会が「ここからはバケモノを演じたみなさんをご紹介します」と言うと会場は笑いに包まれた。ウサギのバケモノ・宗師役の津川さんは、過去に『サマーウォーズ』を見て感激し、細田監督を尊敬していると話すと、ウサギ年である自分を最初から当て込んでキャスティングしたと語った。しかし「嘘です、僕の作り話です」とまさかのオチに客席からは爆笑が起こった。そしてブタのバケモノ・百秋坊役のリリー・フランキーさんは「ここからはバケモノですって言ったけど、役所さんもバケモノですからね?」と。「争うことがいかに無益であるかというメッセージを見た後に、チコを奪い合う皆様の姿に…」と複雑な心情を。サルのバケモノ・多々良役の大泉さんも「演出を考えた人に説教をしなきゃいけない」とまた会場を笑いに包んだ。大泉さんは『バケモノの子』を見終わった後に、深夜にも関わらず役所さんにメールをしてしまったほど素晴らしかったと話した。細田監督はアフレコの様子が紹介された。今回はアフレコをストーリーに沿ったかたちで行ったという。「贅沢なつくり方」と語る。映画からは演じる俳優たちが気持ちの変化などを感じられるのではと話す。それに対して役所さんは「演者にとってありがたい」と話した。笑いの溢れる多い舞台挨拶は、終始和やかな時間となった。本作の楽しさが、そこに表われていそうだ。『バケモノの子』2015年7月11日(土)公開http://www.bakemono-no-ko.jp
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