ゲーム業界からピクサーへの転身、「物語を支えるデザイン哲学」とは?@GDC 2015 2ページ目 | アニメ!アニメ!

ゲーム業界からピクサーへの転身、「物語を支えるデザイン哲学」とは?@GDC 2015

国際的なゲーム開発会議GDC2015にて、ゲーム業界からアニメーションスタジオのピクサーへ、さらにまたゲーム業界に身を転じたMark Holmes氏の講演レポート。

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無論、視覚的に物語を伝えることも重要です。Holmes氏は幾つかの例を紹介しながら説明しました。例えば「終わりで始まりの4日間(Garden State)」という映画では、感情を失った男が、天真爛漫な女性と出会う事で心を取り戻していくという物語が描かれます。デザインでは、モノクロとカラフルというパターンで男の心情を強調しています。最初は真っ白だったものが、最後には僅かなオレンジが交じるのです。
Holmes氏は「デザインは物語を伝えていくものでなければなりません」と繰り返します。単純に美しいだけではなく、あらゆる場面、あらゆるショットで物語を伝える。それこそがデザインの仕事だというわけです。「バンビ」ではデザインでバンビの感情が見事に表現されています。

多くの事をピクサーで学んだHolmes氏は2011年にDynamightyを共同創業してゲーム業界に戻ってきます。"ピクサーのやり方でコアなモバイルゲームに挑戦する"というのがテーマだそうです。
処女作は『CounterSpy』で、モバイルだけでなくコンソールでの発売も実現しました。スパイをテーマにしたゲームですが、Holmes氏はとにかくまずこの分野を研究し、どのような期待がされているのか、それを表現するのに相応しいデザインを探ったということです。舞台は東西冷戦時代であり、少し古めかしい映画のモチーフなどは大いに参考にされたようです。
本作でもピクサーの「カラースクリプト」や「プロダクションデザイン」のような手法が使われています。デザインの評価も高い本作ですが、披露されたアートワークの数々からも、Holmes氏が注いだ情熱が伺えますね。
『CounterSpy』は現在PS Plusにて無料配信されていますので是非チェックしてみてください。

[/INSIDEより転載記事]
《土本学@INSIDE/www.inside-games.jp》
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