アニメライターの仕事術-第3回 仕事が終わらない苦痛は「制限」で解消!(前編) | アニメ!アニメ!

アニメライターの仕事術-第3回 仕事が終わらない苦痛は「制限」で解消!(前編)

渡辺由美子さんの連載「アニメライターの仕事術」第3回目。今回はWeb媒体と紙媒体の締切について、その苦しみからどう脱却したかのお話。第2・第4火曜日に更新中。

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〆切までに原稿や作業を終えよう! アニメライターの仕事術、第3回です。

■「〆切がのびる」Web原稿でへとへとに……

私が仕事で最も悩んだのは、Web媒体の原稿でした。
ニュースや速報ではない記事に限りますが、
Web媒体の原稿は「〆切が延ばせる」のですよ……!

忘れもしません。2006年のことです。
新しいWeb媒体で、これまでやったことがないタイプの原稿を書くことになりました。

「〆切日は目安なので、原稿が完成したときに掲載する形でいきましょう」。

と、編集さんから優しい言葉をただきました。
それからまさか半年もの間、原稿が上げられなくて苦しむことになるなんて思いもしませんでした(編集Yさま、あの時はゴメンナサイ!)。

当時のWeb記事といえば、パソコンでじっくり読むタイプの長文ものが主流。文字量も「5000字から1万字までの間で自由」で良かったのです。

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「〆切が厳密ではない」「文字数は自由」「やり方を模索中」という原稿を抱えた私はどうなったか。
いつ上がるのかもわからない原稿をずっと抱えている状態で、毎日がとても苦しくなりました。いつも「やらなきゃ、やらなきゃ」という気持ちが抜けず、それなのに一行も進まないという日々が続き、心身共にへとへとになってしまいました。。


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■人間には「制限」が必要

思い返してみると、紙媒体では〆切日に大きく遅れたことはありませんでした。
週刊誌でも、不定期刊行のムックでも、とにかく紙媒体の神は印刷所様!
本を流通に乗せるためには、発行日は絶対にずらせません。印刷所が印刷にかかる日にちを逆算すると、どうしたって原稿を完成させないと間に合わない〆切日がわかってきます。
だから紙媒体では「〆切日には、どんな内容でも原稿を上げる」という習慣がついていました。

〆切絶対、規則はいっぱい、それが紙の世界。でも、〆切厳守の理(ことわり)に助けられていたんです。

Web記事が始まった頃、周囲を見渡してみると、私と同じ「終わらない」悩みを持ったライターさんが何人もいました。編集さんも、休日に家に仕事を持ち帰っていたりして、とても忙しそう……。

その頃には原稿はメールで送信ができて、場合によっては写真選びまで自宅でできるようになっていました。昔は編集さんもライターも編集部に集まって作業をしていたので、電車が動いている間になんとか完成させるようにしていたのですが、自宅でやると、「ここで終わり」という区切りがつけにくいのです。

ネットが発達したおかげでインフラは24時間動いてくれるようになりました。
けれども、人間は24時間働けません。体力にも集中力にも限界があります。

当時、「いつまでも仕事が終わらない」悩みを持つようになってしまったのは、私だけではないのかもしれません。

■「やんなきゃ地獄」から救ってくれたGTD

思ったのは、人間には「制限」が必要ということです。

当時、私は仕事に取りかかりたくない気持ちでいっぱいでした。なぜなら、いつまでたっても懸案の仕事が終わる気がしないから……。

終わりが見えないと、なぜ人は苦しいのか。
それには《達成感》がないことが大きいと思いました。

私の苦しい気持ちを最初に救ってくれたのが、GTDです。

GTDは、「TODOリスト」とも言われています。詳細は、専門記事や書籍などで見ていただくとして、大きくは以下のことを始めました。

(1)やることを全部リストアップする
(2)「今日」「今週」「来週以降」に分ける
(3)優先順位をつける

私はWebのツールを使いました。今はスケジュール管理にデジタルツールは使用していませんが、初めてトライする人なら、こうした専門ツールがわかりやすいと思います。

最初は簡単に始められる「check*pad」を使い、そのあとで「Remember The Milk」に移行しました。

「Remember The Milk」は、「一覧する」ことをあえて廃することができるツール。「今日やる事は、今日の分しか見えない」という形に編集できます。たとえば1ヶ月の間にやる事のリストを全て目にしてしまうと、項目が多すぎてパニックになりそうだったので、明日のことは、明日のリストが出てから考えるようにしたのです。

GTDで得られた最大のメリットは、
「今やること」と「そうでないこと」を仕分ける訓練ができたことです。

次回、GTDを導入したおかげでできたこと、できなかったことを詳しくお伝えできればと思います。

(後編に続く)

■ 渡辺由美子(わたなべ・ゆみこ)
アニメを専門にするカルチャーライター。インタビュー記事、評論、エッセイなどの原稿を書いたり、誌面を構成したり。web媒体『ASCII.jp』で「誰がためにアニメは生まれる」を、隔月刊『Febri』で「妄想!ふ女子ワールド」等を連載中。単行本『ワタシの夫は理系クン』(NTT出版)など。渡辺由美子ブログはこちら。
イラスト・宮原美香
《渡辺由美子》
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