邦画の10億円超えは31本、前年の35本からやや減少した。トップは『永遠の0』の87.6億円だが、ひと夏に「京都大火編」と「伝説の最期編」の2本を公開した『るろうに剣心』は合わせて95億7000万円でこれを上回る。 邦画アニメは、フルCGアニメの『STAND BY ME ドラえもん』の83.8億円がトップだった。2位以降は『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』(42.6億円)、『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』(41.4億円)、『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~』(35.8億円)が続く。 映画興行の好調が伝えられている劇場アニメだが、10億円超の作品だけに限ると本数は14本から8本へ、興収は402.9億円から310.7億円に大きく減少した。邦画に占める割合も48.8%から37.8%に下がった。 2014年は、2013年にあった『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』といったコアファン向け作品の大型ヒットも少なかった。
しかし、劇場アニメを支えている定番シリーズも一様ではない。近年好調な「ドラえもん」シリーズは『新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~』の35.8億円に加えて、CG版の『STAND BY ME ドラえもん』が83.8億円の大ヒットだった。『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』も41.1億円と好調、『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』も18.3億円と大きく伸ばした。 一方、「ポケットモンスター」シリーズは2006年に50.2億円とシリーズ過去最高の興収となったが、以降は減少トレンドが続いている。『ポケモン・ザ・ムービーXY「破壊の繭とディアンシー』は12年振りに興収30億円割れの29.1億円、依然高水準ではあるが厳しい結果となった。スタジオジブリ作品では、『思い出のマーニー』が35.8億円、『かぐや姫の物語』(公開は2013年11月)が24.7億円にとどまった。