「ノブナガ・ザ・フール」 伝統芸能×アニメ×ハイテク で全く新しい演劇を構築
高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義:声と身体の表現、演者を分離、日本の伝統芸能テイスト×アニメーション文法×ハイテク技術で全く新しい演劇を構築!
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しかもシリーズ毎に会場が変わる。
「何か、毎回違うものを創っている感じがしますね(笑)。」
ラストは有明コロシアム。
「巨大空間における“朗読的な”声の力とそれに対しての役者の“空間を巻き込むような”大きな動き、それが組み合わさって、シリーズの1回目、2回目とも違う、ストーリーものとスペクタクルなものの間っていうんでしょうか、それが融合したようなものを狙っています」
また、セリフもコミカルなシーンでは口語、会話形式だが、それ以外は口語と文語の間ぐらいのニュアンスになっている。
「役者と声の分担を活かすため、主観と客観が入り交じったようなセリフの作り方をしています。“気持ちを突き放す”という程じゃないんですけど、少し客観視しているような……そんな感じでしょうか」
有明コロシアムという演劇をやるには巨大空間、もともと物語の設定自体がスペクタクルなので、ラスト公演にはふさわしい、とも言える。
■ 舞台はリアルタイムであることの面白さがある、映像メディアはリアルタイムになり切らない故に時代を超えていくことが出来る。
ここ数年、2.5次元舞台、ライブエンターテインメントに関しては時代のニーズがある。その理由に関しては、
「これだけインターネットが盛んになってバーチャルが増えていくと、現実の、生でしか体験出来ないことをみんなが求めると思うんです。イベントとか舞台とか。『ノブナガ~』はテレビシリーズと舞台とはストーリーを変えています。というのは、舞台には舞台の特性があって、舞台ならではの面白さがあるから。舞台でしか表現出来ないロジックってたくさんあると思う。舞台はストーリーに複雑な起伏は入りにくい。しかし、俳優が持っている身体性や声とかで、生だからこそ出て来る緊迫感とか高揚感はすごく表現しやすいですよね。そういう意味においてはすごく可能性を感じます」
舞台の『ノブナガ~』の現場では演出家との交流が面白く、舞台作りの行程もまた、楽しんだようである。
「稽古場に行って演出の柿ノ木さんや俳優さんたちと直接話しながらダイレクトにシーンを組み替えてみたり出来るのが、これがすごく楽しいところでもあります(笑)。アニメでは声優さんにアフレコの時に直してもらうことはありますが、絵を変えることはあまり出来ないので。舞台は生であること、リアルタイムであることの面白さをすごく感じます。でも、映像メディアはリアルタイムになり切らない故に時代を超えていくことが出来るので一長一短ですね」
ライブだからこそ出来ること、映像にしか出来ないことがある。両方を経験し、そこから生まれるアイディアは尽きない様子。
「演じ手を分ける、これにはいろんなやり方があると思うんです。『ノブナガ~』にはあてはめにくいんですけど、もう3つ、4つ企画を思いついちゃっているんですね(笑)、もうどうしたらいいんだろう~みたいな(笑)舞台は生だから人物の魅力を引き出し、それで引っ張っていける、まだまだ、いろんな可能性がある、チャンスがあったら是非、やってみたいですね」
『ノブナガ・ザ・フール』
(C)河森正治・サテライト/ALC/GP