2014年に東京駅が開業100周年を迎える。これを記念したアニメ『時季（とき）は巡る～TOKYO STATION～』が制作された。6月25日より、特設サイトで公開されている。アニメは東京駅をテーマにした短編、東京ステーションシティ運営協議会にエムオン・エンタテインメントとA-1 Picturesが協力したものだ。アニメ制作も『黒執事』や『宇宙兄弟』、『ソードアート・オンライン』などのヒット作を作ってきたA-1 Picturesが行う。長さ5分あまり、10年のメモリアルイヤーに相応しい印象深い作品に仕上がった。アニメの主人公は結婚を間近に控える29歳の美咲である。美咲は亡き父が大事にしていた動かなくなった古懐中時計を見つける。それは東京駅で駅員として勤務していた父が、同じく駅員であった祖父から譲り受けたものだった。美咲はこの時計を修理したいと思い、東京駅を訪れる。しかし、修理をしていた時計屋は既になくなっていた。しかし、美咲は東京駅で別のものに出会う。全編にわたりアーティスト・さかいゆうの楽曲「時季（とき）は巡る」を起用しているのも特徴だ。スト－リーを持たせながらミュージッククリップにもなっている。『時季（とき）は巡る～TOKYO STATION～』は、これまでに30秒バージョンの予告バージョンが公開され大きな話題を呼んでいた。今回公開となったのは、このフルバージョンである。A-1 Picturesらしい丁寧な作りになっている。短いなかに東京駅のさまざまな魅力を伝える。作品はウェブのほかミージッククリップとして、ＣS各局でもオンエアされる。さらに日本語版のほか、英語版、中国語（繁体語）版、タイ語版の字幕入りバージョンもある。海外にも向って発信する。アニメという海外の人にも親しみやすい入口から、日本を代表するロケーションを紹介するかたちにもなっている。アニメを活かした試みとしても注目される。「時季（とき）は巡る~TOKYO STATION~」特設サイト/http://www.tokyostationcity.com/special/tokihameguru/[スタッフ・キャストのコメント]主人公・美咲役キャスト： 吉田聖子さん「完成版を観た時、絵と曲のシナリオの素晴らしさに涙しました。感情的になら ないよう、必死に堪えましたが、それくらい、引き込まれてしまいます。大切な人に自分の思いを伝えることの大事さを、改めて感じた作品でした。さかい ゆうさんの「時季（とき）は巡る」という曲は繊細で想いがストレートに響くなぁと。自分だけが、孤独じゃない…辛い哀しみを背負ってるわけじゃないんだと励まされました。美咲と境遇は違いますが、私も小さい時、家族と離れ離れになり、その時、伝えられなかった家族への感謝の気持ちを、美咲に重ねて、精一杯想いを込めました。観ている方の心に、届いて下されば幸いです。」演出： ヤマトナオミチさん「さかいゆうさんの楽曲と松本淳さんのコンテ、各スタッフのおかげで心が暖かくなる作品が完成致しました。自分が故郷から出てくる時必ず使用する東京駅、過去と現在が入り混じる映像に美咲と一緒に東京駅を巡って頂けると嬉しいです。」キャラクターデザイン・作画監督： 近藤圭一さん「今回この作品に参加するにあたって、絵を描き進めながら何度か東京駅を見に行きました。今まで東京駅を利用した事はあったけれど、描く為に観察してみると駅構内を歩く人達の表情、駅舎やホームの独特な形など、あらためて気付く事が色々ありました。映像を観た人にその東京駅の雰囲気が伝わればいいなと思っています。」
