声優や俳優として長年活躍してきた永井一郎さんが、2014年1月27日に死去した。死因は虚血性心疾患だった。永井さんは1931年5月10日生まれ、享年83歳。青二プロダクションによれば、永井さんは1月26日に広島市の放送局にて仕事をし、その後市内のホテルに宿泊した。翌日午前中にホテルの従業員が、部屋の浴槽で倒れている永井さんを発見したが、病院に搬送後に死亡を確認した。永井さんは、京都大学文学部を卒業後、演劇の道に進んだ。キャリアのスタートも劇団三期会で俳優としてだった。その後、俳協、同人舎プロ、TAPを経て、最後は青二プロダクションに所属していた。舞台や洋画の吹き替えでも活動した永井さんだが、そのキャリアで特筆すべきはアニメ声優での活躍だろう。1963年に『狼少年ケン』のナレーターを担当、初代『鉄腕アトム』、『ビッグX』などテレビアニメの最初期からアニメに関わってきた。国内を代表する声優だった。また、『朗読のヒント』(ふきのとう書房)、『バカモン!』(新潮社)などの著書がある。重厚な声を得意とし、壮年の男性役を数多く演じた。『宇宙戦艦ヤマト』の佐渡酒造、徳川機関長、『未来少年コナン』ダイス船長、『母をたずねて三千里』ペッピーノ、『うる星やつら』錯乱坊、『ルパン三世 カリオストロの城』ジョドーなど傑作アニメの影に、必ずその姿があった。その声は誰もが一度は聞いたことがあるに違いない。なかでも『サザエさん』のお父さん・波平役が有名だ。国民的アニメの父親役として、日曜日の夜に、その声は全国のお茶の間に届けられた。そして、『機動戦士ガンダム』のナレーションも当たり役、35年にわたるシリーズの第一声「人類が増えすぎた人口を・・・」のフレーズは、永井一郎さんによるものである。大きな存在を失ったことを惜しむ声が広がっている。
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