米国サンフランシスコに拠点を持つ、日本アニメの動画配信サイトのクランチロール(Crunchyroll)は、2013年10月30日より新たなサービス「クランチロール マンガ(The Crunchyroll Manga)」を開始した。日本の人気マンガを英語翻訳し、日本での雑誌発売・掲載と同時に世界170ヵ国にデジタル配信する。配信はアニメと同様、無料会員向け、有料会員向けのふたつのサービスが用意されている。スタート当初は講談社が12作品を提供、今後も作品タイトルを拡大する。日本マンガの雑誌掲載と同時の海外配信は、すでにVIZ Mediaが有料サービスの「Weekly Shonen Jump Alpha」で行っている。こちらは日本の集英社のマンガが中心となっている。「クランチロール マンガ」はこれに続く動きだ。日本の大手出版社である講談社が、海外向けのデジタル版に乗りだしたことで、アニメに続きマンガでも、世界配信、同時配信の波が一気に拡大しそうだ。今後は国内でマンガ出版をてがける各社の動きが注目される。講談社の力の入り具合は、そのタイトルからも窺われる。12作品ではあるが、人気作品を集めた。日本だけでなく、米国でも人気の『進撃の巨人』や『FAIRY TAIL』が含まれている。『ユーキュー ホルダー』は、『魔法先生ネギま!』で海外人気の高い赤松健さんが今年8月に国内連載を開始したばかりの作品で、スタートから海外とほぼ連動するかたちとなった。『謎の彼女X』、『宇宙兄弟』、『君のいる町』、『山田くんと7人の魔女』、『我妻さんは俺のヨメ』、『COPPELION』といずれも講談社の現在を代表する作品だ。今回の試みについて講談社の吉羽治氏(国際事業局 局長)は、講談社の作品が、世界中でこれまでより早く、簡単にアクセス出来ることは喜ばしいとしている。サービスの特徴は、無料会員、有料会員とふたつあることだが、最新作はいずれも時差なく読むことが可能だ。ただし、無料会員の閲覧には広告がつけられる。これがクランチロールと出版社、原作者の収入となる。最新エピソードだけを読みたい場合は、こちらでも大丈夫だ。一方、有料会員は広告なしでこれらを読むことが出来る。さらに有料会員だけのコンテツや特集などが用意されている。こちらは月額4.95米ドルに設定されている。また、11.95ドルのオール・アクセスメンバーシップは、アニメの視聴も併せて利用が可能になる。日本での雑誌発売、単行本リリースと海外の翻訳出版に大きな時差があることが、インターネット上の違法な海賊版ファイルを生み出しているとされている。それが原作者、日本と海外のビジネス関係者の収益機会を奪っているとの指摘も多い。クランチロール マンガは、アニメと同様にマンガでも日本とほぼ同時を実現する。これがビジネス上どの程度のインパクトを与えるかも注目される。クランチロール マンガ/http://www.crunchyroll.com/manga
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